シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

自作するオーディオ

 オーディオ趣味人には、機器を自ら作ることを趣旨とする御仁が居る。いわゆるオーディオ工作であり、これがまた奥が深くてハードルが高い。

 オイラが初めてオーディオ工作したのは子供の頃で、何かの付録で原始的なアナログプレーヤーキットを作った。趣味として熱が入ったのは、長岡鉄男氏の影響に他ならない。氏の工作本はほとんど読み漁り、実家が大工であるのも功を奏して小型スピーカーを作ったものだ。理系ではないのでアンプを作るほど電気の知識は無いし、木工をしたかったのである。

 当初は自作スピーカーはコスパが良いと思って始めたのだが、それは逆だと思い知った。だから作ったのはフルレンジかせいぜい2ウェイである。長岡氏も3ウェイはほとんど設計しなかった。そもそも、オイラに複雑なネットワークを組むのは無理である。今思うと、ニアフィールドで楽しむためのホビー工作だった。いつかはD-55の大型バックロードホーンを作ろうとUΣのコンデンサーを買っておいたが、そのまま熱が冷めてしまった。その理由は長岡鉄男氏の他界である。オイラに限らず、スピーカー工作を止めた御仁は多かっただろう。

 ただ、オイラの友人は逆にその頃から工作熱が入り、雑誌に紹介される作品を作るまでになった。元々オートバイのカウルを自作するような工作マニアだったのだ。彼は客観的に優れた音を出す事よりも、作る過程が至福なのである。

 たまに、懇意のショップで自作スピーカーの出物を見掛ける。一般的なミテクレではないゆえ、総じて安価だ。そりゃ、造りに信用できるか分からんというリスクもある。以前、物凄く精緻な仕上がりのスワンが出てきた。信じがたい安値で売られ、速攻でマニアが買っていったが、長岡氏の名作が哀れに感じたものだった。

 今はもう、ジャンク品のカンスピを持ってるだけだが、FOSTEXのFE83,103,FF125を良く使った。中古品の出物を試し聴きすると、新しいFEシリーズは明るい元気な音は健在だが、FFシリーズの音が驚くほど変わっている。高域が繊細に美しく伸びていて素晴らしい。価格を調べると、当時の3倍近いじゃないか!時代は変わった・・