シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

転機となった機器⑦ FAL Supreme-C90 EXW

 このシリーズも最後だ。B&Wが自分の求める音を出してくれると確信し、11年に渡ってM802S2~M801S3~N802とグレードアップしてきた。しかし、こんなもんだろう・・と手を入れる熱意は無くなっていった。これはあらゆる機器からケーブルに至るまで重量級となって、動かしたり交換するのが大儀な年齢になってきたからだ。

 そして、ついに懇意のショップでFALの試聴会に参加して衝撃を受けた。音があまりに醜い!ゆえに大変気になってしまい、秋葉原の試聴室まで出向いて本来の音を確認した。そして古山代表と顔見知りとなり、試聴会で使ったSupreme-C90 EXWを自宅まで持ってきての試聴となった。家まで来た古山のおっちゃんの前で「これいらん。」とは言えない。しかしこのスピーカー、DF値の高い今時の高級アンプではまともな音が出ない。

 FALはフルレンジであって、大型ハイルドライバーと整合するためC90ユニットは超強力なマグネットで駆動する。普通のトランジスターアンプではオーバーダンピングになってしまうのだ。この常識外れの個性をオイラは受け入れた。これはスピーカーを自作していた経験が大きい。大型のFALは、FOSTEXのシグマシリーズを密閉型で使うようなもので、低音が出にくいことは当然なのだ。さらにネットワークの無いフルレンジ+ツイーターの構成は、長岡鉄男氏の手法とも合致しており、現状でまともな音が出なくても趣味人の琴線に触れたのである。

 そしてここから気合が入り、オイラの趣味性が本格化する転機となった。管球アンプの特徴と魅力を知り、そのエッセンスを加味した万能の理想音を目指して今に至っている。FALを導入してから、日本オーディオやファーストワット、CECといったガレージメーカーの趣味性あふれる機器を迎え入れ、様々な個性が融合してオイラだけの音世界が出来上がった。

思えばこのスピーカー、15年使い続けてきた。FALが新商品を出さない限り他機種には興味が湧かない。