シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ロングウォーク

 2026年6月配信のB級デストピアSF作品。

 スティーブン・キングがまだ別名だった頃の処女作を映画化したもので、彼の不条理な世界観と鬱な作風はすでにこの時点で確立していたと知ることになった。

 話は分断戦争によるどん底のアメリカで、国力高揚のためロングウォークというチャレンジ・ゲームが行われている。それは50人がたった一人になるまで歩き続け、既定のルールで脱落したものはその場で殺される。「バトルロワイヤル」の元ネタのような話だ。「ハンガーゲーム」や「ダイバージェント」の序盤に似たものを覚える。

 この死のロードゲームが、なにゆえ落ち込んだ国を盛り上げるというのか・・脱落者をその場で殺すルールのゲームが市民を社会的に奮起させるとは、一体どんな理屈なのだ?「バトルランナー」のように、狂気の娯楽として市民に大人気という世界観なら分かりやすいのだが。さらに納得しがたいのは、志願者は優勝者以外脱落して殺されると知っているのに、何故明るく談笑して友人になったり助け合っているのか?また、そもそも脱落者を殺す理由は何なのか?参加者以外の狂った世相でも描いて有れば納得できる。普通に悲しむ母親をクローズアップするから常識的な世界の話かと思ってしまう。ラストで優勝者が望んだ事は、当初の望みではなくゲームへの怒りが導いたものだった。しかしそれは最初からルールを知って参加しているから釈然としない。例えば、死刑囚を集めて無理やり死のレースをさせた中で、友情が芽生えてあのラストを迎えるのなら筋が通るのだが・・まあ大学生が書いた処女作ならこんなものなのだろう。


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マーク・ハミルがバトルロワイヤルのビートたけしと同じ役どころなのが愉快だ。

ORB J10-XLR Clear Force

 夏に、物の価値に惹かれてオルトフォンのXLR-5000Si SILVERを借用して試聴した。結果、現用のワイヤーワールド エクリプス3の力強い押しが再認識され、購入には至らなかった。あれからSPダブル駆動を楽しむようになり、音場が広くなる代償で音像の輪郭は滲む傾向にある。よって今なら、プリ~パワー間のXLRケーブルを解像度重視のハードなケーブルに変えるのもいいかもしれない。

 一昔前のオーディオ雑誌を見ていたら、XLRケーブルの比較試聴記事で気になる商品があった。それがORB J10-XLR Clear Forceである。これは特に注目される線材や被覆構造を持たず、地味で堅実に国内生産する比較的安価なケーブルである。しかし、論者の福田雅光氏の評価に注目した。音のファクターである写実性、コントラスト、制動力、低域の明瞭性、透明度がすべて振り切っている。これは音の解像度に特化した珍しいハードな個性だ。12年前の雑誌であるが、ググるとこれは現行商品らしい。たしか・・オルトフォンのXLR-5000Si SILVERを借用するとき、隣にあったような気がする。問い合わせるとヤッパリそうだ。さっそく現物を見れば傷も無く、使用感を感じさせない中古品である。安価なので聴かずに購入した。

 現用のワイヤーワールド エクリプス3は約30年前の商品だ。最外装のビニルシースは若干変色している。中古で買って8年使用したが、そろそろ変え時であろう。価格的には大きなグレードダウンであるけど、今求める音がそこにあるなら問題ない。即、耳タコCDで聴いてみる。リファレンスは当然エクリプス3だ。

 瞬時に音圧が下がった感覚に戸惑った。しかしフォルテの部分はしっかり吹き上がっている。ということは、陰影がハッキリしているという事か。重低音の打音もドスっとくる感触が足らないと思ったが、力感は変わっておらず締まったのだと理解する。長年慣れた音からの変化はネガティブになり易いので注意が必要だ。                               ヴァイオリンの音色に固さは無い。それなのに高域の解像度には目を見張った。オーケストラの後方の背景も靄が晴れたように見通せる。そして、圧倒的なのはボーカルの輪郭だ。音像が二回りは小さく明瞭、まるで生毛を剃ったかのよう。               比較すると、エクリプス3は中域から低域に掛けて肉付きがあったと言える。これが音圧の違いに感じるのだろう。明らかにORBの方がニュートラルだ。そして、エクリプス3は高域に明るさがあって分離が甘いようだ。これはもしかすると、初期性能を維持できていないという事かもしれない。価格差4倍であるが、現行品と30年前の高級品の差は残酷な結果となった。

 しかしこれはオイラにとって思惑通りである。ダブル駆動にしてみると明瞭に音場が拡大しながらもボーカルの輪郭は滲みが無い。遠景描写になるためか、ケーブルでハードに振ったのが丁度良く和らいで聴き疲れることがない。まさに期待したパフォーマンスだ!✧(ˊᗜˋ*)و 

 このケーブルは安価で地味な存在だが、変に芸術性や音楽性に色気を出さず大変優秀だと思う。性能を拡大したメインシステムの新規ケーブルに相応しい。

追記 ボーカルが前に出にくいのが今後の課題かな・・と思っていたが、数日でヌケが良くなってまったく問題が無くなった。

 

 

 

テイクティ BATPURE その7(メイン導入)

 漏斗ホーンツィーターを4月からセカンドシステムに常設して、ガラスの曇りが一掃したような効果に満足している。(テイクティ BATPURE その6 2026‐04ー03 参照)極めて能率の低いテイクティBATPUREは、確実に漏斗ホーンで能率アップしていると実感した。ならば、高能率のFALでも効果がありそうである。

 変更は簡単。コンデンサーも必要ないので、メインのSPターミナルに繋ぎ直すだけだ。漏斗ホーンの場所はそのままTADの天板上でいい。というのは、FALはバーチカルツインなので、ツィーターが真ん中にある。よって、TAD天板上でメイン側に寄せるだけで最も近くなるのだ。差の出やすい耳タコCDでさっそくやってみる。

 音圧を上げると違いはハッキリ現れる。やはりシンバルやリンの音が分かりやすく、低音のキレやヌケも向上しているのが分かる。メインは柔らかい音質なのでその変化は分かりやすい。音場も広くなったような気もする。しかし、相対的に言ってセカンドシステムほどの差ではなかった。実は長さが丁度良かったので、SPケーブルを半世紀前の被覆が変色硬化した単線を使ったのがまずかったかな・・( ¯⌓¯ ) とりあえず、メインでも常用する価値はありそうだ。

 安価なのでBATPUREをもう一組買ってもいいが、最初に設置したサードシステムのBATPUREを外して使えばどうだろう。というのは、サードシステムはサイコロSPからYAMAHAのVS-E1に変わった事で高域が改善しているからだ。BATPUREに蓋をして効果の有無を確認してみると、こっちは予想に反し効果甚大である。蓋をすると何故かYouTubeの女性ボーカルに不要な響きが目立ってしまう。これは聴感上誰でも分かるほどで、どうしても外せない。となれば、TAD天板上の漏斗ホーンをそのまま併用するのが一番いい。しかし、市販のSPセレクターは使いたくない。ステレオ仕様しかないため中央に置けば無駄に配線が長くなるし、そもそも安価なものは音質の劣化がありそうだ。

 そこで、YAMAHAのVS-E1を常設する前にアタッチメントを作ったのを思い出した。(2026‐06ー13 YAMAHA VS-E1  その2 参照)あれならバナナプラグを差し替えるだけで済むじゃないか。一銭も掛からないし、音質劣化も最小限で気にすることも無い。

 事は簡単だ、さっそくやってみよう。これを機に、まともなケーブルを設える事にしよう。それが下の画像。配線は赤黒平行ビニール線とレトロSPに付属していた単線を止め、サエクとアコリバの「PC-Triple C」を使う。精神衛生上も相応しい。

追伸 あれから色々なCDで比較してみると、どうやらセカンドシステムと変化のポイントが異なるようだ。FALだとハイエンドの粒立ちと分離、低域の深みが大きく変わるのが分かる。

今回作ったアタッチメントは劣化も感じさせず良好なのだが、ぶら下がるには重いため軽いユニットがズレてしまう。BATPUREと漏斗はビニールテープ固定なので仕方ない。漏斗ホーンの効果がハッキリしたので、しっかり接着固定して作り直そうと思っている。

HIMARIのデビューアルバム

 先月、HIMARIのデビューアルバム「Dbut」がついに発売となった。思い出したようにタワレコに行ってみると、国内版の他に輸入盤や初回限定のデラックス版が並び、その注目度が伺えた。そして試聴コーナーのトップに据えられ、早速試聴してみたところものの数秒で愕然となってしまった。

 HIMARIは、クラシックファンで知らぬ人は居ない現代の天才ヴァイオリニストだ。10歳までに世界で天才と認知され、YouTubeの動画も数多い。現在15歳でメジャーレーベルDECCAによる華々しいデビューとなる。その曲目にオイラは注目した。昨年の春に大変話題になったベルリン・フィルとの共演で、ヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲1番のライブ録音が収録されている。この曲はギル・シャハムとロンドン交響楽団の演奏が長年オイラの耳タコCDで、指折りのお気に入りなのだ。HIMRIはYouTubeでは第3楽章しか聴くことができない。第1楽章を聞きたいのである。で、やっと試聴コーナーのボロいヘッドフォンで聴いてみたら・・それはHIMARIの演奏が始まる前にガッカリさせられる事になる。演奏のテンポが遅いのである。

 ベートーベンの交響曲はオイラにとってカラヤンが基準だった。アナログ時代にそのすべてを買い集めたのが中学生の時だった。その後、CDの時代になって再び買い集めようとしてショルティ指揮の演奏を買って聴いたときも同じだった。あまりにテンポが遅く、カラヤンのスピードがリファレンスのオイラにはもどかしくて聴いていられないのであった。その再現がここにある。残念ながら、HIMARIの演奏云々の前にこのCDは却下となった。自分のテンポに合わない演奏は、どれほど素晴らしくてもストレスになってしまう。

 クラシックは楽譜通りに演奏していても、そのスピード感は様々だ。何かの番組でその演奏スピードは年々早くなっていると聞いた。ショルティ同様、そうでもない例も多いということか。

 

院外処方

 院外処方とは、診察を受けた医療機関で発行された処方箋の薬を調剤薬局で受け取ることで、今の日本はほとんどこの方式になっていると思われる。

 対して、診察を受けた医療機関でそのまま薬を受け取るのが院内処方であって、昔はこっちが主流であった。院外処方に初めて出くわした頃はとまどったものだ。何故こうなったのか?ちょいと調べてみたら、特に新たな法による規制とかではなく、以前から医療機関側で検討して落ち着いた調剤迄の流れのようだ。院内処方では医療機関の負担が大きく間違いも生じやすいため、分業体制の推進によって薬剤師が中心となって院外調剤する形式が主流になっていったらしい。

 しかし、これは医療機関側のメリットを追求した結果であって、患者側に負担を要するものだ。同じ場所で薬を貰えず、しかも医療点数が高くなって金銭的な負担も大きくなっている。まあ医療で間違いがあっては致命的なので、致し方ないことかと納得している。ただ、どうにもイラつくことが多い。それは院外処方の料金に、薬剤師の服薬指導料と言うものが含まれているため、薬を手渡されるとき無駄な説明をされることだ。

 丁寧に薬の注意点を説明してくれるのはいいが、その薬を処方するにあたって薬剤師が患者のプライベートな部分まで色々聞いてくる事がある。すでに医師と十分なやり取りがあって、さらに理学的な所見を基に処方箋が出ているのに、何故薬を渡す段階で同じような事を言われ、同じような留意点を聞かされる必要があるのか。これが患者が少ない時間ならいいが、混んでいる場合は無駄に待つ時間が増える事になる。先日は医大の附属病院直近の調剤薬局で最低40分待ちだと言われた。これにはイラつく訳である。

 まあ、そこは大きなチェーン・ドラッグストア系列なので、自宅近くの同じ系列店に処方箋をファックスで送ってくれた。これで帰宅する頃には薬が出来ている事になり、ヒマな調剤薬局で待つことなく受け取ることができる。

 なにはともあれ、これが今の日本の医療体制なのだから文句を言っても仕方ない。イラつけばこっちが損なだけである。

 

追伸 初めて利用する調剤薬局の場合は問診表を書かされる。これはどこでも同じだと思うが、その無駄な行為の意味が分からない。医師が責任をもって処方箋を作っているのだから、薬剤師が判断を強いられていまいが。そのくせ、薬の選択相談をしてもその場で判断して教えてくれるじゃないか。逆だとは思わないのか?

 

DIATONE DS-77Z

 懇意の店に大変な上玉中古スピーカーがある。ダイヤトーンのDS-77Zだ。

 DS-77Zは1989年発売の密閉型3ウェイで、バブル景気終盤にDS-77シリーズの最終版として発売された。いわゆる598戦争の最終回答のような存在であった。その物量は凄まじく、ツィーターはお得意のボロンのDUDドーム、DM構造のフレーム、ADMCウーハーのボイスコイルには6N銅を採用し、フロントバッフルは3㎝厚である。なお、ウーハーの口径が31㎝なので、他の598SPと比しても圧倒する迫力があった。当時はDS-2000HRを使っていたので興味が無かったが、今注目するのは理由がある。

 信じがたいが、この中古品は見たところ新品同様なのだ。傷一つ無く、フレームの塗装に剥げもない。そして何より、エッヂが硬化せず新品のような弾力を保っている。ブレーキフード等で軟化処理したものはすぐ分かる。どうやってこの状態を維持できたのか?10㎏の専用スタンドまで在り、まるで現行商品のような出で立ちだ。鳴らしてみると大変バランスのよい音が出てくる。ウーハーが軽く動いている証拠だ。価格は・・もう笑うしかない。

 今、昭和がブームらしい。車もバカ高い旧車を買って悦に入っている芸能人の動画も多い。昭和のオーディオ機器もビンテージとして人気がある。しかし機器の程度はリスクであって、良いものにあたるのは至難の運だ。このDS-77Zは音を聴かずに買っても後悔は無いだろう。

なお、この情報は10月1日(木)昼過ぎの時点のものである。

もう一組あり、普通はこの状態だ。エッヂもカチカチ。

掘り出し物はコッチ。表示された価格では小型のゼネラルSP一本すら買えない。

 

 

禁断のダブル駆動(音場拡大)その7

 禁断のダブル駆動もその6まで続き、まだ満足のいく音になっていない。

 サテライトSPをFALの天板上からサブシステムのTADの上に置いてみよう。TADの上には例の漏斗ホーンが置いてあるが、まだサイコロSPを載せるくらいのスペースはある。後方向きで部屋の隅上方に向けてサテライト(サイコロ)SPのみ鳴らしてみる。左右のバランスは良好で中央定位もズレていない。これなら期待できそうだ。

 これはいい!奥行き深く立体的で何を聴いても違和感なし。クラシックは5列以上後方で聴いている印象である。なにより、コンチェルトのソリストが上方へズレていない。FALよりTADの方が背が低いのが功を奏したようだ。メインもセカンドも音離れがよく、後方へ自然な音場拡大が得られている。しかし・・一日で却下することにした。あまりにもTAD周辺がゴチャゴチャして見た目が悪く、美的に我慢できないのだ。リビングは美観が重要なのである。しかも、機器の背面に入るときはTADをどける必要があり、何度も設置し直すことになる。ただ、背面向きはやっぱり魅力的なのが分かったので、もう一度FALの上でやってみよう。

 ここからが長かった。あらゆる位置、角度、音量を試していく。上方仰角向きから水平置きにすれば、前回のコンチェルトで感じる違和感はない。しかし、それだと希望に沿った広がりも得られない・・ポイントは2チャンネルとバランスが変わらず、間接音が増えたような変化にしない事で、そうしてやっと見つけた配置が下の画像だ。

 これならTAD上に置いた背面向きと遜色ない。というか、上と横の広がりはこの方が一回り大きく厚みがある。やはりステージの見通しの良い後席に座った印象で、前に迫る感触は無い。そのため、ダブル駆動で音量が上がっているはずなのにボリュームを落とす必要を感じない。何故かこの位置だとコンチェルトのソリストの音像はほとんど変わらない。ただし、それは試聴位置が変わると崩れてしまうが・・音場型はどこでも同じステレオ感が得られると言った人がいる。しかしそれは相対的な話であって、正確には反射音の聴取量が変わるため結構クリティカルだ。

 とにかく、やっと良いポジションを見つけられてホっとしている。オーディオの正道とは違うけど、これまでとは比類が無い楽しさだ。繰り返すが電気的に変えていないので、これはセッティングの範疇と考えよう。いわば、無指向性SPの壁面反射量を調整できるシステムだ。格安の中国製小型デジアンを手に入れた事で、やる気になった音場拡大の試みは予想以上に大きな収穫であった。

音が良くても窮屈な見た目で却下。

 

この設置が最終回答。シールしておこう。

追伸 もはや音楽を楽しむにはダブル駆動は欠かせないと言ってもいい。それほど自然な広がり、立体感が得られている。もちろん、比較試聴や評価するには2チャンネルで行う必要があるけど。