シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

陶器のスピーカー バブルボーイ

 車の後部座席でバブルボーイが転がらないように運転し、途中で100均に立ち寄る。このスピーカーの置台を物色するためだ。園芸コーナーに似合いそうな鉢置きがあった。調整用にコルクの鍋敷きも合わせて購入。置き場所を作るため一部器材の配置を変える必要があり、配線変更もあって当日はくたびれてしまった。よって、試聴は翌日にする。

 では規模的に合ったサードシステムで聴いてみよう。まず本体だけの音を確認する。やはり見事な能率の高さだ。いつも繋がっていたサイコロスピーカーとは10dBは違う。あまり音出しをしていなかったのか、元気はあるがガサツで繊細な音が出ない。2時間ほどで馴染んできた。FOSTEXらしく明るい抜けの良さが特徴で、カンスピより高域が煌びやかだ。この音圧の高さは陶器の響きが加わっている気がする。耳に敏感な帯域が猛烈に迫り出してくるのだ。低音は量感は無いが意外と頑張っていて、かなりクリアだ。しかし、いい気なって耳タコのオールウェイズを大き目の音で流したら歪みだした。普通のロックや歌謡曲なら問題ない。中高域が耳にきつくなってきたので、鉢台と本体の間にコルクの鍋敷きを挟んでみる。うん、嘘のように落ち着いた音調になり、この方がずっといい。

 サブウーハーのスイッチを入れてみよう。能率が大きく違うのでどうかと思ったが、意外にも繋がりに違和感が無い。f特バランスが良くなって聴きやすくなる。ただ、低音の量感が増えても締まりが無くなるので、ジャズベースのキレは期待できないな・・あれ?やな予感がしてサブウーハーを切る。大した音量でもないのにジャズベースで片チャンネルがビビっている。どうやらオールウェイズで歪んだのは、音量やローカットの無い録音のせいではないようだ。その後、小音量で耳を当てて確認すると、低音の入っていない音でも歪んでいると判明。まいったなあ・・

とにかく懇意のショップに送り返して修理可能か判断してもらおう。

追申 その日のうちに店から回答があった。修理には膨大な費用が掛かるらしい。ガッカリである。残念だが返品することにした。(可愛かったのに・・)

台座として買った鉢置きと鍋敷きは、本来の用途に移ってもらおう。

陶器のスピーカー

 陶器のスピーカーは昔からあり、ジョーダンワッツのフラゴンが有名だ。日本でも信楽焼のスピーカーなど、ガレージメーカーが芸術性の高い作品を作っている。

 主流になれないのは、大型が作り難く衝撃に弱いという欠点が拭えず、コストも高いのが理由だろう。芸術作品として手作りされることによって、この手の趣味人に愛されるマイナーなカテゴリーだ。オイラはオーディオ趣味人なので、どんな音がするのか以前から興味を持っていた。そして・・つい、衝動買いしてしまったのだ。

 懇意の店の中古コーナーに入ると、昔の銘品が増えているのがすぐわかった。こりゃ相当なマニアが放出したな・・ワクワクして物色していると、一際光る不思議なスピーカーに目が留まった。なんだ?このキュートな物体は!

 商品名はINAX QX-100とある。INAXって、大手サニタリー商品のあのイナックスか?スピーカーを作っていたとは知らなかった。しかし・・なんて愛らしい姿なんだ。店員に頼んでちょっと聴かせてもらう。するとビックリ!BOSEの商用スピーカーから切り替えたのに音がグンと大きくなった。なんて能率だ!こりゃ面白い。当然低音は望めないが、明るく開放的な中高域が魅惑的。オイラは主要機器の選択はいつも石橋を叩いて熟考するのだが、もう欲しくてたまらなくなってしまった。とりあえず商談中にして帰り、一度冷静になって詳細をググることにした。

 すると、これは1980年代のバブル時代に生まれたもので、INAXがシャレで作った物のようだ。その名もバブルボーイ、色が選べたらしいが白がオバQみたいで可愛い。ユニットはどうやらFOSTEXOEMらしい。UP-103のようだ。オイラはこのユニットを知らなかった。自作スピーカーに嵌っていたのは1990年代で、その頃はもうカタログにUPシリーズは無かったのだ。このユニット、大型マグネットにフレームがアルミダイキャストと豪華である。しかしウレタンエッジだったため、今ではボロボロに加水分解している。店にあったものは、黒いラバーエッジのようだったので張り替えたのだろう。

 価格は当時の定価の半額だ。30数年前のスピーカーが半額とは実に高い。明らかに希少性のプレミアが付いている。さあ、どうしようか。と言いながら、もうどこに置こうか思案している。翌日、大事にダッコして持ち帰った。   ~つづく~

この時は、予想外の事が起きるとは思いもよらなかった。

SISU シス 不死身の男

 2023年公開のフィンランド製B級ミリタリーアクション作品。当然、俳優もスタッフもまったく知らない。主人公の爺の容姿が凄いインパクトで、90分以内に観られるからチョイ観たくなった。

 これは久しぶりにアタリだ。これぞB級テイストの極み、第二次世界大戦末期のフィンランドを舞台にローカルな視点で繰り広げられる痛快バイオレンス。始めオイラは、その荒涼としたマッドマックスのような風情に、マジなリアリティ作品かと思った。しかし、あまりにも新鮮な戦いぶりにコメディの要素が観られ、血生臭い描写がスパイスの類になってきた。これは上手い演出だ。

 ナチスの兵隊が英語をしゃべっているのに違和感もあったが、コメディ要素が大きくなるにつれてツッコミ所ではないと分かった。何をしても死なない主人公にナチスがビビっていく様子が分かり易いと思う。

 とにかく絶体絶命な場面を、考えたことも無い斬新なアイディアで乗り越えていく爺の姿が凄い。そんなのアリか?とポップコーンが喉をつかえそうである。開いた傷口を処置するシーンは、もうランボーが目を丸くするに違いない。クライマックスになると完全にイケイケのコメディで、もはやアメコミのヒーロー像に笑えてくる。

 主役は劇中ずっと無言である。こうした演出は珍しくは無いが、本作の主人公には寡黙な不死身の男が絵になっている。最後に一言、銀行でボソっと喋るのがまたいい。


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天竜花桃の里 2024

 2年ぶりに天竜花桃の里に来た。昨年は失敗したので、現地に電話して開花状況を確認していくことにした。ここはネットで開花情報が公開されていないのだ。どの花も今年は早いので注意した方がいい。

幻の国鉄、佐久間線の痕跡を遊歩橋やワインセラーに利用している。

山頂のガーデンには可愛いヤギが居たのだが、引っ越ししたようだ。残念・・

逆流性胃炎

 実は正月明けからずっと逆流性胃炎に悩んでいた。どうやらやっと治ったようで、正味2ヶ月を要したことになる。

 正月の松が取れる前、ゲップが頻繁になり食べた物が戻るようになった。こうした事は以前もたまにあって、1~2日市販の胃薬を飲めば治ったのだが今回は違った。あれこれと市販薬を4回ほど変えてみたが改善しないのだ。いや、正確に言うと治りかけて油断すると再発するのを繰り返していた。痛みは無く、食後しばらくすると喉に何かがつっかえる違和感が始まり、ゲップや未消化の食物が戻ってきてしまう。正月に、普段食べない蟹やカズノコを食べて胃が拒絶したのかと思ったけど、これはそんな原因じゃないだろう。

 そこで、食生活の改善を始めた。とにかく消化に悪いものは食べない。そのためには、毎日のようにスーパーに出かけて食材を選んだ。そして自炊である。酷い頃はうどんやお粥、大根おろしばかり食べていた。前述した油断とは、つい消化に悪いものや油っぽいものを食べてしまったのだ。1カ月そんな生活をしていて治らないので、節分の頃いよいよ医者に診てもらった。それで診断されたのが逆流性胃炎だ。

 胃酸を弱める薬と胃を丈夫にする薬を1か月分出され、キッチリ処方を守って飲み切った。そして今に至るのだが、やっと完治したと言ってもいいだろう。

 もう2ヶ月、ラーメンや揚げ物を食べていない。おかげで便の性状が素晴らしく良くなった。もう、元の食生活に戻したいのだが、ラーメンを喰ったら再発するんじゃないかと不安になる。やれやれだ。

アースラインノイズフィルターの再検証 その2

 サウンドナイトを外して直接電源ケーブルをアンプに刺すだけなので、作業はいたって簡単だ。ただし、首都高速のように立体交差する他のケーブルを避け、狭い中を無茶な体勢でやらねばならない。さらに埃掃除も兼ねてである。さあ、どうか。

 第一印象を言おう。何も変わっていない・・背面がスッキリとしたので、音もスッキリとした印象に引っ張られるかと言えばそうでもない。逆にSNが低下したとも思えない。でもまだ判断できん。ソフトを変えて次々と聴き込んでいく。こんなときは同じソフトに固執しないほうがいい。すると、音が平面的でノッペリしていないか・・ベース音が少し軽くないか・・歌謡曲が喧しくないか・・と、気のせいレベルのモヤモヤが生じてきた。

 比較試聴は後から聴いた方が良く聴こえる。極端なケースは別として、これはよく言われる人間の心理だ。それなのに、気のせいレベルとはいえ違和感があるなら捨ててはおけない。面倒でも、もう一度サウンドナイトを戻して聴いてみよう。気力の低下もあり、翌日再確認した。

 今度はハッキリ違いが分かった。クラシックは奥行の再現が違う。平面的に聴こえたのは間違いでは無かったのだ。それ以上に、昔の岩崎宏美の曲だと違いがよく分かる。外した時はやはり荒れて喧しく、付けると嘘のように聴きやすくなる。低音の再現に差は無かっさた。おそらく、CDトラポを最近88.2kHzにアップサンプリングして聴いているので、44.1kHzの頃の張りのある低音の記憶が混ざったのだろう。

 聴感上はサウンドナイトを付けた方がよいという結論に至った。しかし、不思議である。アースが繋がってない現状で、オイラには改善する理由が見当たらない。ネットをググってみると、評論家の朝倉怜士氏がその効果を絶賛して自宅使用しているという記述を見つけた。なんと、彼の自宅でもアースを取っていないらしい。改善理由について「面白いのは、うちの視聴室はアースを利用していないのに効果があったこと。これだけデジタル機器を積み重ねているので、それらの間で疑似アースが生成され、そこにデジタルノイズが載っているのでしょう。」と説明している。う~む・・そんなこともあるのか (´ω)

 まあいいか、理屈で聴くのはオイラらしくない。再検証してサウンドナイトは無駄ではなかったと納得できたのだから良しとしよう。

 

アースラインノイズフィルターの再検証

 2018年の夏、表題のサウンドナイトという商品を入手し、4回に渡ってレビューしている。その結果、改善効果があったのだが、再度読み返してみると結論に至るまで一筋縄ではいかなかったのを思い出した。何故、今になってこの再検証をする気になったのかというと、どうしてもその効果に疑問が拭えないからだ。

 あれから5年半、ずっとパワーアンプのお尻に刺さっているが、これ・・本当に意味があるのだろうか。中古品だったが定価は8万円もするアクセサリーゆえに、効果への期待と先入観が誤認させてはいまいか。というのも、現在主要機器はパワーアンプ以外2芯の電源ケーブルである。そうでなくとも、日本の主要オーディオメーカー品はアースが浮いているものが多いのだ。パワーアンプのJ2は外国製なのでアースは生きており、だからこのフィルターの価値があると思っていた。しかし、ほとんどの日本の家屋はコンセントにアースが引かれていない。家庭内アースは別配線なのである。工場なら分かるが、民生オーディオで何故こんなフィルターが必要なのか?

 オイラは製造メーカーのグランドナイトという会社に率直に質問してみた。すると、コンセントからのアースノイズの引き込みが無くても、他のオーディオ機器とのアースループが問題だと言う。なるほど、そうなると我が家ではアースループが発生していないので意味がない。対象となるのは、海外機器を3芯ケーブルで複数接続している御仁だけになる。

 では何故、音が変わって聴こえるのか・・やはり先入観に引っ張られたのだろうか?ただ、このサウンドナイトという商品自体が電源ラインの介在物であり、フィルターの効果が無くても音が変わる可能性がある。この件もメーカーは認めていた。

 重い腰を上げて確認しようと思う。どうせ埃まみれの背面掃除が必要だったのだ。