シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

場相応 

 その人なりのその場のベストな対応というものがある。これは誰に教えられたわけでもなく、長く社会人をやっていれば自然と身に付いていくものだ。それが意識して違和感なく操作できる人間は世渡り上手であろうし、逆に逸脱しているのに気が付かない御仁は、癖が強い者として人間関係に難をきたすと思っている。また、そんな事はカケラも思っていないけど場が和み、敵を作らないのが天然ボケと言われる人種であろう。

 こうしたことは趣味人の世界でも言える。オーディオで当てはめれば、システムを置く部屋は様々だ。6畳間のケースもあれば、24畳を超える吹き抜けの大きな空間を持つ御仁も居られる。また、部屋の横に往来の激しい国道があったり、静かな山間地の場合もある。それぞれの場に合ったベストな音を求めるべきで、無理をすれば癖の強い音になるだろう。大型スピーカーを絶対とするマニアは、どんなウサギ小屋であろうとそれを押し込み、その状況を前提に試行錯誤するが、そこに本来の実力は発揮できないと考える。場相応なシステムの最大限の実力を引き出すのが正道の醍醐味だ。よってオイラのシステムは、11畳の居間という場に合ったシステム造りをしてきている。したがって、他で物凄い音を耳にしてもその機器を欲しいと思うことはない。

 この考え方だと部屋が変わらない限り向上に限界が迫ってくる。この部屋でオーディオに取り組んですでに30年を過ぎた。何度もこれが向上の限界か・・と思いながら良い意味で裏切られてきた。この先もまだあるだろうか。

 一番手っ取り早いのが主要機器の入れ替えだ。実際、多くの音マニアはそうしてリフレッシュし、再スタートを繰り返している。ただしそれにはリッチな自己資金が必要だし、現在の環境で満足のゆく音がしている以上、巨額な投資をして入れ替える理由もない。壊れたり劣化すれば別である。幸い、この業界はアイディアマンが多いらしく、想像もしなかったアクセサリーが発売されたりするのが救いで、これが今の場相応な考えだ。