シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

レイルロード・タイガー

 2016年公開の中国製A級アクションコメディ作品。

 日本軍が中国に進行する戦時下において、ある男から任務を託された列車泥棒団が、日本軍の物資輸送列車と鉄橋の爆破に挑戦する話。

 第二次大戦下で敵は日本陸軍、目的は橋の爆破とくれば「戦場にかける橋」を思い出す。そんな大昔の名作とは異なり、とっても単純な話である。中国映画といえば、とにかく日本を悪役にした勧善懲悪だ。アクション大作はこれをやっておけば本国でウケルので、何十年経とうが作品として進歩はしない。でも、中国映画はそれでいいのである。下手にまともな映画を作ろうとするとボロが出るからだ。

 本作のベースがそんな程度だから辛辣な有識者の意見も多い。しかしオイラはコメディでコーティングしたことで、中国製アクション大作の良い点が出ていたと思う。それは、ジャッキー作品によく見られる環境の使い方の旨さで、抜群にアイディアがいい。

 列車上のアクションは数あれど、大砲や戦車を使った発想が素晴らしい。というのは、このシチュエーションは軍需物資の輸送列車ならではの設定で、それも旧日本陸軍のチャチな戦車や大砲なくして生まれないからだ。あのオモチャみたいな戦車をアクションに使うことで、列車アクションが面白くなる。何発撃とうが、蒸気機関車は脱線すらしない・・だから派手なクライマックスまで引っ張れるのだ。

 役者としては悪役の池内博之が絶品の面白さを魅せる。彼の強面でマヌケなターミネーターぶりに拍手を送りたい。敵女将校も同様だ。鉄橋上のアクションなど、作りだす環境が新鮮で、ジャッキー中心のアクション大作でなければ思いつかないものだ。やはり、コメディアクションは中国が一番だと思う。


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