シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ポリス・ストーリー REBORN

 ジャッキー・チェンの最新作。ポリス・ストーリーといっても、本来の作品と繋がりはない。セガール親父の沈黙シリーズみたいなものだ。

 いきなり結論、これは失敗作である。冒頭の流れはいい。よく見かけるパターンだが、掴みのアクションは成功している。最初からフル加速して突っ切る手法で、背景となる説明は主軸で徐々に分かるように展開していく。その主軸になるのは13年後で、キーとなる主人公の娘が大学生になる頃という設定である。

 さて、本作は初心者の監督が個性を出そうとしたようで、良くも悪くも観る者が唖然とするジャンル変更をブチかます。本編はSF仕立てとなり、まさかと思いつつも後半の中国製デストロイヤー(笑)の登場で決定打となる。コメディなら許すがこの世界観は失笑の渦であろう。ましてやその時代設定が2020年なのである。この中途半端さには、さすがの中国本土の観客すらそっぽを向いたらしい。

 さらにいけないのは、主人公以外のキャラが立ちすぎている点だ。どのキャラを取って観ても、ジャッキーより目立ってしまっている。ジャッキー作品は、まじめなやさしい主人公が派手な技で魅せるところに魅力があった。加齢とともにそれができなくなった主人公を、どうやって引き立たせるか・・この作品でしていることは真逆である。

 こんな駄作でも、娘役を演じたナナは実に可愛くてそれだけが救いだ。本職であるチェロの演奏をぜひCDで聴いてみたくなった。


『ポリス・ストーリー/REBORN』予告編