シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

プロジェクトV

 2020年のジャッキー・チェンによるA級アクション作品。

 監督はジャッキー作品を多く手掛けるスタンリー・トンで、2017年の「カンフーヨガ」はアクションコメディとして大変楽しい作品だった。でも、今回は正直言って失望の感を拭えないものだ。

 まず、ジャッキーはもはや主役ではない。アクションはほとんど若いイケメンと美女に任せ、本人はバンガードという大掛かりな護衛組織の司令官と言う役どころだ。まあ、年齢的にもそうした移行は当然であって、作品の良し悪しとは関係ない。本作がいただけないのは、現代劇に沿った誘拐、復讐のストーリーの中で、半端に正月映画の毒気抜きを施してある仕上がりにある。展開上、銃撃戦で何人も敵を倒す中盤に対して人が死なない配慮のクライマックスは無理がある。敵が復讐のため大金で入手した武器がしょぼい攻撃型ドローンというのもお粗末だ。アクション作品として尻つぼみな流れと言っていい。

 アクションそのものも、露骨なCG合成が多くてしらける。輪を掛けてSFまがいなアイディアは、前作のように明白なコメディであればいいが、この作品設定ではネガティブな苦笑ものに受け入れられる。ジャッキー作品の良さが薄くて中国映画の品とセンスの無い欠点だけが浮き彫りとなった作品だ。


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