昨年公開の近未来SFアクション大作。大作としたのは、B級の内容におそらくA級並みの金が掛かっていると想像したからだ。
しかし、メジャーな映画として全国配給されていない。理由はおそらく、インドネシア映画だからだろう。もちろん、大作にするためにアメリカ資本が入っている。しかしあくまでインドネシアをリスペクトした作りで、俳優も舞台も話の内容もアメリカの匂いはない。最後のクレジットの後にオマケ予告映像があって、アメリカを舞台に乗せている。それも含めて、本作は既視化されたアクションとアイディアのオンパレードで、楽しいがまったく独創性が無い。「レイド」の過激アクションを近未来に持って行って、古臭いストーリーに絡めているだけである。物まね成金中国映画と似ており、そこにも至っていない。実に手抜きの爆破シーンやCG処理の稚拙さがいい例だ。
悪いことばかりでもない。エンディングの歌は実に良い。CDがあったら欲しいくらいだ。