2019年製作のB級アクションコメディ作品。
コメディ風ではあるが積極的に笑わせるものではなく、過激にゲーム感覚で殺人を行う闇動画サイトに嵌められた男の活躍を描く。コメディ風情でコーティングすることによって、一種のブラックジョークとして魅せたものだ。
主演はダニエル・ラドクリフ。ハリポタとは真反対な作品なれど、彼は中々この役にピッタリだ。髭ヅラで低身長、オタクのプログラマーで取り柄のないヤツ。本作は、ツクリがもう一皮剥けていればカルト作品になったかもしれない。
この無名監督は結構できるようで、暇つぶしで観たオイラを飽きさせなかった。アクションがさほど主体でもなく、両手を拳銃とボルト固定された主人公の悲哀や焦りが面白く、繋ぎとして上手く機能している。ストーリーも最終的には勧善懲悪としてまとまっているので、先が読めないのに安心感がある。
本作の見所はやはりラドクリフが必死にあらがう挙動にあるが、敵として対峙した後共闘していく女殺し屋のサマラ・ヴィーヴィングの活きが良い。ただどうせなら、もっとぶっ飛んだ作風にしてほしい。妙に遠慮が感じられ、普通のアクション作品に沿っているので、どういった背景の物語なのか疑問を持ってしまう。たとえば、配信動画の観客以外まったく無反応な世界観なので、途中これはSF設定なのかと勘繰ってしまった。やはり、カルトになれない半端な作品と思われても仕方ないだろう。