シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

コンティニュー

 2021年公開されたB級SFアクション作品。

 タイムループを扱ったSF作品の部類であるが、ループに嵌った主人公は以前の記憶を持っている設定。したがって、無料で何度も体験できる対戦型シミュレーションゲームをしているような話だ。同じパターンの作品として、トムの「オール・ユー・ニード・イズ・キル」が思い出される。あれも結構面白かったが、本作は現代劇として予算を抑え、絶妙なコメディ色にコーティングしている。よってツッコミ所は沢山有れど、笑いのネタに転化しているので肩の力を抜いて観ればいい。

 主役はフランク・グリロで、アクションはできるが未だにB級ヒーローである。ここから飛躍するのが難しい。奥さん役がナオミ・ワッツで敵はメル・ギブソンだ。さらにミッシェル・ヨーまで登場する豪華な布陣でありながら、実は一番インパクトがあったのは中国系殺し屋を演じたセリーナ・ローという素性の知れない女優だった。

 何度も同じことを繰り返して飽きてくる主人公、それでも少しづつ核心に迫っていく展開は実に面白い。その中で、疎遠となった息子との交流や元妻との信頼回復などを織り込んで、緩急変化を持たせたスピード感はあまり類を見ないものだ。そしてラスト、暗転して間を置いた後のクレジットに観客は「ええ?」となること必至。おそらく監督は、観る者が望む結末にしてくれればいいという意図であろう。この手の作品では中々できない芸当だ。

 かなり癖のある作風なれどオイラは嵌った。酒を飲みながらリピートしてみたい。


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