シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

基本的要素を重視する

 先月WEの真空管DACを試聴したとき、ラックから日本オーディオのDACを引っ張り出した。試聴を終えて元に戻そうかと思ったが、せっかくなので遊ばせている両面RASKのボードと、現行のアサダ桜ボードを入れ替えてみることにした。これは3年ほど前に戻るだけなのだが、あれからかなり音が変わったのでどんなものだろうか。

 まず予想通り、あの冷たい音色が戻ってきた。しかし、透明度が実に高いのがすぐ分かった。これはベースとしての可能性が高い証拠だ。ならば毒を食らわば皿までと、DAC~プリ間のRCAケーブルも、夏にアキュのASL-10で軟化したのをアコリバの単線タイプに戻してみる。そして出てきた音は、高解像でキレッキレのハイバランス。バロックを聴くと、針が飛んでくるような鋭さと分解能である。これじゃとても耐えられないが、基本的要素がワンランク上だと感じた。

 そこで、この高精度を犠牲にせず聴きやすい調整を思案してみる。その結果、管球式グライコの低域と高域を少し弄ることで、聴けるバランスにすることができた。あとは冷たい音色をどうするかである。DACとRASKの間は、J1プロジェクトのICPコンポジットコーンで3点支持となっている。このコーン先端に山本音響工芸の黒檀スパイクベースを噛ましてみた。これは中々良い。響きが籠らず冷たい印象を消すことができた。ただし、音像の立体感が若干スポイルする。ちょっと効きすぎている感ありだ。もっと薄いものを探してみるか・・と思ったが、2年ほど前にブラック・ダイヤモンド・レーシングのインシュレータを格安で入手したとき、パワーアンプに使ったところ劇的に音が良くなったのを思い出した。(2019-9-15  ピラミッドコーン・スパイク  参照)あの時と状況が似ている。まだ3つあるので試してみよう。

 当たりだ!解像度や透明度はそのままに冷感は一掃して、全域で厚みが増している。音像は輪郭がこれ見よがしではないが明確であり、広がりや奥行きにマイナスは無い。若干、中低音がスッキリしたようだが、これは全域で厚みがアップしたので相対的な印象だろう。何故なら今回比較試聴に使ってないCDでは低音に違和感が無い。そして、実に力強いのに中高域に不快なピーク感もない。さらに1時間ほど経つと馴染んでくれて、深い響きがある素晴らしい安定感とバランスが得られた。

 今のオイラには基本的な音質のファクターが以前より高いことが重要だ。それでキツイ音になってもどうにかする。どうも木材の安堵な響きは邪魔になってきた。