シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

リズム・セクション

 2020年公開のリベンジ・アクション映画。ただし、あまりに不評で日本未公開だ。

 普通のオナゴが家族のを討つために、殺し屋になって謎の敵に復讐する話。ありがちな女殺し屋の一本かと思いきや、この手の作品の中では観たことが無いほどハードボイルドである。

 主演はライアン・レイノルズの美人奥さんブレイク・ライヴリーで、驚くほどブサイクでボロボロの娼婦として登場する。そんな彼女を鍛えるのがジェード・ロウで、訳ありの元スパイだ。この、復讐のために殺し屋になっていく過程がとてもリアル。まったく誇張が無い。だから短期間に強くなるはずもなく、デビュー戦からもう酷いありさまだ。車で逃げるリアル描写が凄い。その後も銃を使えない場所で敵の喉を切れなかったり、後始末の爆破処理にターゲットの家族が同乗したままだったりと、非情な殺し屋稼業の描写が続く。

 本作の見所は、ボロの娼婦が決死の世界に身を置いて徐々に肝が据わっていく様にある。ラスボスが誰なのかは途中で読めてしまうが、それは大した問題でもない。むしろそうした男達の詰めの甘さが主人公を引き立てている。クライマックスで、ラスボスに「私の方が上手だ。」と吐き捨てる彼女は真に強靭な殺し屋に成長していた。

 本作が全米公開時、まだコロナの恐怖は世界レベルに及んでいなかったはず。興行成績の低迷はマーケティングミスだろうか。作品の質は悪くないと思う。


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