シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

LUCY/ルーシー (ネタバレ)

 ルーシーを観てきた。シネマイレージ・ポイントのおかげで無料鑑賞だ。
 監督がリュック・ベッソン、主演がスカーレット・ヨハンソン、脇にモーガン・フリーマンとなれば面白くて当たり前。確信犯で観に行ったつもりだったが、これはズバリ失敗作である。
 物語は、平凡なオナゴが不幸が重なって変な薬を多量に投与され、超人に変貌していくものだ。それではありきたりなので、本来10%しか使っていない脳が次第に覚醒しはじめ、人知を超えた存在(スタトレのQみたいなもの)になっていく話である。
 ヨハンソンはさすがに良い味出している。だてに世界一の出演料をせがむ女優をやっていない。また、脳が目覚めるだけで物理を超えたスーパー超能力を発揮する場面を突っ込むヤカラも居ようが、そこは思考が時空間を支配する世界もスタトレで習ったオイラには違和感なしだ。(^O^)
何が失敗かというと、ベッソンの色が後半の深淵なSF色と混じらないのだ。
 序盤は良い。韓国マフィアを相手に復讐の女殺し屋誕生の展開はこの監督の十八番だ。もう飽きたと言ってもいい。( ̄▽ ̄) その後、脳が覚醒するに従い現実離れしたSFの世界になっていくのに、血生臭いマフィアが最後まで追ってくる。幾多の敵を瞬時に倒す力を中盤で見せながら、クライマックスでは派手な銃撃戦で警官に守ってもらっているのは、誰が見ても違和感を感じるだろう。 
 本作は脳が20%位の覚醒で留めて、当初のベッソンノワール色にまとめるか、マフィアのゴミ連中をさっさと序盤で片付けて、科学者との深淵な対峙に昇華させるSF作品にするか決めるべきだった。SFを見慣れたオイラは、最後の時間と空間を超越した世界に昇っていく表現を見慣れているが、他の観客はあまりの色違いな展開にキョトンである。
 オイラはベッソン監督のファンであったが、彼の才能は枯渇しているのかもしれない。