シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ザ・リディーマー

 2014年作、チリで作られたアクション映画。

 チリの映画は初めて観た。主演はマルコ・サロールというアクション俳優らしい。「マチューテ・キルズ」に出ていたらしいが、まったく記憶にない。アクション映画のレビューをする身なれど、辺境の俳優に興味を持つほど時間が無いのだ。

 観るとその体術は素晴らしい。あの体格で中国のスタントマン張りの空中殺法は驚いた。実は観終わるまでこの主役は 、スコット・アドキンスと勘違いしていた。実に似ている。ググると、この両者が共演する映画があるそうで、並べれば違いが分かるかもしれん。

 さて、本作は辛酸な過去を背負った殺し屋が、世直しに彷徨う中で宿敵と出会って憂さを晴らすまでを描いたもの。ユニークなのは、神に身を寄せるしか生きる糧が無い主人公は、ラストに思いもよらぬ「許し」で締める展開だ。復讐に燃える男が最後に改心する話はよくある。しかし、勝利を確信した後の土下座と許しの流れは実に意外。

 主役以外にも、プロと思える格闘家との闘いが目を引く。ところがこのアクションは違和感が大きい。玄人好みの技が効果を発揮したシーンがあったと思えば、非現実的なアクロバット殺法が横行する。実に中途半端だ。映画のワンシーンというより、派手に演出された総合格闘技を披露している印象が強い。

 いつも言っていることだが、どっちに振るかハッキリしてほしいものだ。


10/10(土)公開『ザ・リディーマー』