シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

シャッフル

 2007年の米国製ファンタジック・スリラー作品で、2011年公開の同名邦画とは関係ない。

 主演はサンドラ・ブロックで、ファンタジーといってもそれらしい夢ある映像は無い。内容は、理由なく1週間がシャッフルされた主人公の体験を綴っていくものである。その間には夫が事故死したり、その夫の浮気が判明したりで、動転した主人公は周囲から精神が侵されたと病院へ拘束される運命に。

 本作は久々に出会った秀作だ。当人の意識が1週間飛び回る発想は面白い。具体的に言うと、木、月、土、火、金、日、水の順に飛び回る。これはタイムループを扱った作品でもあり、その仕掛けが見事である。巧みに疑問点や矛盾を隠しているので、時間を扱ったハードなSF顔負けの仕上がりである。たしかに木曜日からスタートしているので、シャッフルされる前の日曜日から水曜日までの記憶が無い設定に疑問が湧かないでもない。冒頭の留守電コメントの内容から時間のループが始まっているのは確かだが、主人公はまったく身に覚えが無いのだから。しかし、本作はSF作品ではない。見所はファンタジックな出来事で、夫婦倦怠期の危機を主人公が乗り越えていく姿を魅せることにある。だから、SF的なツッコミは野暮でしかない。

 これがディズニー配給だったら、最後はハッピーエンドにするだろう。しかし、SF作品でもないのにタイムループを厳格に守って悲劇は変わらないとし、深く静かにテーマを印象付けている。中年夫婦にお勧めの一本だ。


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