シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

LOOP/ループ-時に囚われた男-

 2016年公開のハンガリー製B級ファンタジック・サスペンス映画。

 本当はSFの分類にしたいところだが、タイムループについて一切説明がないのでサイエンス・フィクションとは言えないだろう。これは、「トワイライト・ゾーン」や「世にも奇妙な物語」で扱うに相応しい一遍だ。

 金は掛かっていない代わりに謎だらけのストーリーで、解説に臨んだ御仁も見かける曲者作品だ。オイラも一丁乗ってみるかと考えたがやめた。本作からは時空間を扱った難解な挑戦状の意図が感じられず、あくまでもファンタジーとして不思議な気持ちで受け取ってもらいたいように思える。なぜなら、明らかに無意味と思えるカットの思わせぶりが多く、これが何なのか意図が読めないからだ。

 でもオイラなりに全貌を解釈してみると、これはタイムリープというより別の平行世界の過去へ送られるパターンだ。だから過去の自分と格闘もできるし、同一時間軸の繰り返しでないから同じ人間が際限なく増えるわけでもない。意味不明な場面は異なる平行世界で説明がないだけと解釈する。ジャンプ体験するのはヒロインと主人公で、ヒロインが口火を切る。でもすぐに死ぬ運命を付与することにより、焦点を主人公に絞っている展開は良い。その後、自分が死ぬ世界を見た主人公がジャンプした先では、死なないための決断をすることで新たな平行世界が作られていく。

 それでも妙なシーンはあるもので、周囲の人間までデジャブを体験している。これは、平行世界の過去にジャンプした主人公の影響により、記憶がエコーのように周囲に反映していく・・といった変な理屈モドキが必要となる。

 ラストのブラックな締め方は、もはやこの手の作品の定番サービスであって解明云々はヤボであろう。まあ、そんなルールに沿った不思議な世界で、クズ男が改心していくファンタジーとして観るものだと思う。


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以前観た「シンクロニシティ」のときみたいにグラフ化もできそうだが、面倒なのでやめた。(2017-02-05  シンクロニシティ 参照)