シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

トランス・フューチャー

 2020年のブラジル製C級作品。

 タイムトラベルもので、「あなたの脳は真実にたどりつけるか?」というキャッチコピーから、オイラ好みの難解なタイプと踏んで気合を入れたが拍子抜けした。

 本作は同一時間軸へのタイムトラベルを繰り返すタイプのSFで、「テネット」と同様に矛盾が起きやすい。パラレルワールドに逃げない設定は度胸があるが、いくら頑張ってもシリアスな話ではツッコミが避けられない。まあ、それでも中々面白く時間のループを作っている。しかし詰めが甘いのが残念だ。

 例えば、時間のループを体感しているのは主人公の姉なので、彼女の素振りにはもっと気を使うべきだ。例えば、最初のタイムトラベルのときに主人公は腹を撃たれるのだが、それを処置するのはさらに過去の姉である。姉はもうすでに一回会っていると言っているのだから、姉は過去に主人公の腹を処置した事を覚えていることになる。それを思うと姉の言動は不自然である。また、結局主人公は恋人を殺してしまったのだが、最初からの警察署長との会話に違和感を覚える。主人公は初めからずっと自分が殺したことを隠していたのだから。

 こうした違和感は、演出にもっと気を遣えば回避できたのではないか。致命的なタイムパラドックスにならないよう気を使っているだけに勿体ない。それでもアイデア勝負のC級SFで、タイムループにここまで挑戦したのだから良しとしよう。


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