シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

沈黙の惑星

 2008年の米国製B級SF作品。ウィキにも乗らないアルバトロス配給のマイナー作品である。最近、つまらん作品が続いているので良作に飢えている。そんな状況ゆえに、良いコメントをしたくなってきた。

 異星人の侵略で地球は壊滅寸前。これを一気に打破するため、敵の母星にウイルスをバラまきに特殊部隊が派遣された。ところが到着寸前で宇宙船が故障してジャングルに不時着、心を操る異星人が潜む恐れが隊員同士を疑心暗鬼にさせ、緊迫感が増していく。金が掛けられないので、終始何もないジャングルでの撮影、登場人物も少ない。これで視聴者を引っ張る引っ張る。100分以上観客を飽きさせないのだから大したものだ。特に、遭遇した子供が敵なのか何なのか、なぜ両親が隊員と同じ名前なのか、謎は深まる。SF慣れしていると、未来へタイムスリップしたのかと勘繰るところだ。使命遂行に容赦ない博士と隊員の確執も目が離せず、心理描写が実に上手い。これはB級映画の手腕として見事である。

 どんなラストを迎えるのか・・これが疑義のあるものだった。まず、夢の中で異星人が正面切って語りだすのには「ウルトラ7」みたいで郷愁を感じる。地球は数百年前に占領されていて、当時この敵の母星に来た地球人だけが地質環境に守られており、異星人はそれを始末するためにクローンを洗脳しウィルスを使って滅ぼそうとしたのだった。主人公たちはクローンだったわけだ。オイラは、素直にここまででいいのではないかと思う。ところが先がある。

 終始操っていた異星人は地球侵略の反対派で、ウィルスと見せかけて残された地球人に反撃の能力を与えようとしていたと言うのだ。しかし、心を操る異星人が信用できるのか?といった話だ。この展開をどう評価しようか。どんでん返しもいいが、これを肯定することは、目的のためには残虐に人を殺してでもウイルスを撒こうとしてきた博士が、結果的に正しかったことになってしまう。

 柔道やレスリングで、最後の最後に見事な投げを打ったら相手が空中で一回転して戻ってしまったような違和感が残った。


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