シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

アトラクション 侵略

 2017年に公開された「アトラクション 制圧」の続編。

 前作はまったく盛り上がりに欠ける内容だったにも拘らず、母国ロシアでは最大のヒット作になった。ハリウッド・エンタメを成熟から枯れるまで観慣れた目には、30年は若いプロットであったがCGは観るものがあった。

 本作は登場人物は前作とまったく同じで、CGに倍の予算を組んでスケールアップを図ったものだ。今回、巨大な敵を用意して「インデペンデンス・デイ: リサージェンス」の真似事を披露している。何故こんな失敗作の真似をするのかねえ・・しかも、その失敗作にすら及んでいないと言いたい。何がダメなのか。もう、発想も脚本もダメダメだ。具体的に示そう。

 まず、前作で死んだはずのエイリアンが何故生きているのか説明が無い。名前を変えて出てくるなら、記憶を転写したクローンにでもすればいい。さすれば、主人公の疑心暗鬼がドラマを生む。

「ラー」という異星の人工知能が登場するのが下手すぎる。何の予告もなくエイリアンの船を取り込んでいくシーンは、敵なのか何なのか分からないため、突然の情報操作による危機が分かり難い。それも、主人公とエイリアンとの交尾と交互に見せるので、SEXの比喩表現かとも思えてくる。観客を惑わす酷い演出だ。

 致命的なのは、クライマックスに意を決したエイリアンが、主人公の父親の誘導で敵に突っ込んでいくシーン。結局ラストは主人公の超能力で危機を脱するため、何の意味もない行動になってしまっている。何を考えてこんな脚本にしたのだ?

 まだまだあるがキリがない。これらは、ツッコミどころというレベルの粗ではない。おそらく映画好きのシロウト学生の方がましな話に仕上げるだろう。


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