2017年師走公開の和製ファンタジー作品。
原作の漫画は観ていない。最近、地上波で放映されたが、2時間半枠を確保したなら、なんとかノーカット放映してもらいたい。本作は至る所に伏線や振りが散りばめてあるので、そもそもカットし難いだろう。
異界のファンタジックな世界観と鎌倉という土地柄が、上手く混じって説明の要らない作品に仕上がっている。山崎貴監督に夢のある作品を作らせたら、もう日本で右に出る者はいないだろう。リアル過ぎずマンガチックなセンスを残して、大変アットホームな温かいファンタジーに仕上がっている。
本作の最大の見どころは、徹底的に可愛い奥さんの高畑充希につきる。大げさな仕草も不思議とあざとく見えない。世のおじさんなら、過去に戻ってあんな夫婦になりたいと誰もが思うところだ。だから観終わってすぐにリピートしたくなってくる。
主人公が妻を取り戻すために黄泉の国へ行き、因縁の宿敵と対峙する盛り上がりとその結末も上手い。なにより黄泉の国のデザインがいいので、全体を通して懐かしい統一感が崩れず、大人が余韻に浸れる。
銀河鉄道999や金田一耕助など、ニヤリとさせられるオマージュがいくつもあり、実に楽しい。完結した良品なので、絶対に続編は作らないでもらいたい。