2019年製作の米国製C級SF作品。
来たきた~と言いたくなる最低ランクの不快な一遍だ。怒れるのは、先が読めないので最後まで観ることになってしまうこと。90分近い時間を返せと訴えたくなるのは保証する。
この作品は実験味が強い造りで、一つの破局型SFの世界観を与えられた異なる監督が、オムニバス形式で恐怖に慄く市民を描いている。そのルールは結末を作らないこと。つまり、説明無しで現象だけを描くことで、作品の基となるストーリーそのものを観客の想像力で完成してくれと言っているのだ。
もちろん、想像しやすいようにヒントを置いている。当然ヒントは断片的なので、観る側が意識して繋げて最後は結末も考える必要があるわけだ。いわゆる起承転結が意図的にないのである。
出来上がった作品を享受するのが映画なのに、視聴者参加型とでも言おうか。実はこんな風合いの作品は昔からあった。しかし、どれもクソとして捨てたので題名は記憶にない。本作は実験的な手法を気取りながら、低俗なゾンビやスプラッターで客を釣ろうとする下賤な意図が見えるので、クソ中のクソと評価したい。