2016年製作のイギリス製C級SF作品。
瞬間移動の実験をしていた学生が、焦って人体実験を行いトラブルを起こす。この程度の情報からオイラは「ザ・フライ」みたいな話だろうか・・と思った。なので、瞬間移動後に様子がおかしい彼女が鏡を見るシーンは恐怖だった。ところが、マスクを被った何者かが自宅の研究データを盗みに入った時点でネタはバレる。これはTNGの「もう一人のウィリアム・ライカー」である。
現代が舞台なので、コピーの主人公に待つのは悲劇しかない。ラストで自分の正体を知った主人公は、説得されて自分は存在してはいけないと納得する・・なんとつまらない締め括りか。どうせこんなC級SFを観るのはSFファンだけなので、ネタバレは確信犯でなければならない。よって、そこから意外なラストに持っていくのが当然だろう。
苦悩するコピーに対し、実体の方はアッケラカンとして次の実験に意欲を燃やす・・この今時の若者らしさで締めるのならば、全体をサスペンス・ホラーの風情にすべきではない。大学生の恥部を風刺した世界観でまとめる方が一貫性がある。まあ、駄作の一本だ。