LXV-OT9の素性は十分メインシステムで使えるものだと分かった。では、いよいよ実際に補正してみよう。
FAL Supreme C90Wの欠点はとにかく低音の量感不足だ。補正の目的はそこに限る。現在、アキュのトーンコントロールは低域を4dB上げている。小型スピーカーでもないのに随分おおきな調整である。まずは、55㎐を4dB、220㎐を2dBとしてみた。
これはなんとも・・中低域を中心に量感というか厚みが減って痩せた音になってしまった。さらに1dBづつアップしてみたが、あまり変化がない。これはどういうことか?
アキュのトーンコントロールは、もっと中域寄りから補正が掛かってくるので、ボーカル帯域まで補正された状態で聴き慣れてしまっているということか。たしかに身に覚えがある。(2014-5-11 トーンコントロール その3 参照)他の曲でも確認していると、疑問は確信へと変わった。
トーンコントロールをオフにした音はクリアで、LXV-OT9による補正の方が見通しが良いのである。遠近感のあるクラシック録音の弱音の再現や、ボーカルの輪郭が明らかに向上するのがわかる。こうなってくると、今までの厚みがある音は厚ぼったい音に、LXV-OT9の補正は痩せた音からスッキリした音に印象は変わってくる。
これまで気持ちよく聴ければそれでいいと思っていたが、悪影響があっても気づかないでいることがある。LXV-OT9はとてもよい機会を与えてくれた。ホビー商品だなんてとんでもない。どうも頭を補正する必要があるようだ。