2021年公開のB級バイオレンスアクション作品。
主演はマギーQ、久しぶりに観たがオバサンになっても信じられないくらい美しい。やはり、女の殺し屋を演じたら彼女の右に出る者はいない。本作でもニキータそのものである。脇をサミュエル・L・ジャクソンとマイケル・キートンが締め、そのまた脇をパトリック・マハライドやT-1000型が彩る。中々豪華な布陣で緊張感の高い悪人の世界をハードに演じている。監督はマーティン・キャンベルだから、こなれたアクションを安心して観ていられた。
その内容であるが、序盤でサミュエルが殺され、育ての親の復讐に燃えるマギーQ、敵ながらその主人公の魅力に曳かれるマイケル・キートン・・といったもの。中々意外な展開も有って引き込まれる話だ。アクションは派手さは無いが、実にハードで痛々しい。それを細身のマギーが淡々と魅せてくれる。そして、このまま敵の親玉へ復讐を果たして終わるかと思ったら、そうはならないシナリオの捻りがある。
ネタバレであるが、実は生きていたサミュエル再登場からのクライマックスは好きではない。たしかに他の類似作との違いを魅せたシナリオなれど、これは美味しい所をサミュエルが持って行ってしまった感が強く、主人公の復讐という目的がブレたままになってしまう。この流れを通すなら、敵地に乗り込む前に2人の会話がもっと必要だ。それに、マイケル・キートンとの関係もあの終わり方は味気ない。終始ハードで通すのはいいが、ヒット作になる締め括りではないだろう。
マギーQの作品はシリアスで暗いものばかりなので、最後に彼女の悲し気な笑顔で終わる結末のものであればよかった。