彼女の存在はショップにCDが並んでいるので知っていた。しかし、この手の歌手は多数CDを所有しているので、10年前ならいざ知らず、今となっては気にも留めなかった。それがバズケロさんとの思わぬ出会いがきっかけで、彼女のソフトを買うことになった。(2016-02-19 思わぬ出会い 参照)
サラ・オレインはソプラニストのようなビブラートを多用しない。どちらかと言うと、フィリッパジョルダーノのように感情をぶつけてくるような歌唱で、ファルセットのときの響きが美しい。ファドのような節を回すところもあって、日本語の歌が実に自然で堪能だ。アグネス・チャンより遥かに巧い。演歌を歌ってみてはどうかと思う。
久々にバズケロさんの家に遊びに行くと、山口百恵の「コスモス」を独自のアレンジで見事な歌唱をしているソフトに出会い、誰かと聞くとまたもや彼女だった。結局そのCD「ANIMA」も買うことに。
彼女はヴァイオリンも見事に弾きこなすので、ソフトには彼女の演奏も収録されている。天は彼女に二物も三物も与えたもうたようで、さらに絶世の美女ときた。ジャケット写真はリアル・スターシアと言っても過言ではない。あまりにも恵まれた才覚に子供の頃はイジメの対象だったそうだが、やはり世間離れした御仁は俗世と隔絶した生活するのがいいのだろう。世の中、平等ではいけない例だ。
さて、彼女の作品は、大変美しくて個性もあるので文句も言いたくないが、他の海外同系統アーティストと比べてリバーブ処理が派手すぎる気がする。もはやディレイやエコーのレベルで、調整されたシステムで聴くと処理が気になるのだ。派手になりすぎて存在感が希薄な方向になりかねない。彼女の実力からは不要な処置だと感じる。