シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

シン・ゴジラ 〜ネタバレ〜

 シン・ゴジラを拝見。ハリウッドに刺激を受けたFINAL WARSから12年ぶりの日本急襲である。
FINAL WARSはエメリッヒ監督のゴジラを徹底的にバカにしたファイナルに相応しい面白さであった。今回のシン・ゴジラギャレス・エドワーズ監督作のアンチテーゼを感じる。
 その感想はズバリ、アッパレな面白さである!ヽ(=´▽`=)ノ
 予告編からして、あまりに無機質なゴジラに期待感は低下。それが幸いしてか鑑賞後の満足度は実に高い。何が面白いのかと言うと、本作はハリウッド映画によく見る、市民に目線を置いたヒーローは存在しないのだ。徹底して日本という国を災害の危機管理という事象を使って描いている点が新しい。だから登場人物なんてどうでもよく、日本そのものを味わう作品だ。よって、政府の対応が滑稽に映って笑いを誘うがリアルなのだ。自分も似たような職種に居るだけにその描写が面白くてたまらない。
 本作は確信犯的にエバンゲリオンの実写化と言ってもよく、ゴジラはまさに使徒である。ここでは使徒を荒ぶる神として登場させ、既知の兵器がまったく歯が立たない。その使徒ゴジラに生物感が無く、CGの使い方がヘタなのかと思ったのは間違いだと分かった。ミサイル攻撃を嫌がるようなイキモノ風情は不要であり、ゴジラは自然の神なのである。ゆえに、本作の失敗点と思われたゴジラの目的の無さも論外であることに気が付く。巨大な地震や台風には目的も何もない。
 唯一、成長前のゴジラが実にチープな特撮感を醸しているのが疑問。これも往年の着ぐるみ怪獣特撮の味をワザとチョイスしたのかもしれない。だとしたら実にニクイ演出だ。ラストショットの意味などは若者をしっかり惹きつけ、さらにゴジラ第1作のリスペクト感が大人に満足を与えてくれる。
 ゴジラの暴れる場面は実はほとんどない。しかし怒る場面はまさに巨神兵、圧倒的なゴジラ神を魅せてくれた。本来あるべきゴジラ像を含め、これは日本国の紹介映画としてぜひ海外に配給してもらいたい。

このゴジラに比べれば、ハリウッド・ゴジラは子供である。