シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(ネタバレ)

 ハリウッド版「三大怪獣 地球最大の決戦」を観てきた。ストーリーはまったく違うが、肝心な部分に日本の怪獣に対するリスペクトが如実に出ている。

 まず、このような作品に世界的スターを配して、A級スペクタクル作品に仕上げたことに拍手だ。渡辺謙の他にチャン・ツィーがモナークの一員として登場。別に彼女でなくてもいい役なのに、彼女もゴジラファンだろうか。

 さて、ストーリーについては多少難があるが、まあアベンジャーズやX-MENとかと同じノリで、重箱の隅は突かない。本作は怪獣プロレスをいかに美味しく魅せるかが全てであり、その意味では大迫力だった。怪獣達の造形は良い。しっかり元のデザインを昇華している。ここは往年のファンにとって譲れないところだろう。ほぼ埋まった客席の半数以上は50歳以上なのだ。(子供はほとんどいない!)ゴジラはさらに顔が小さくなり、巨大になった。ラドンの風圧で街が破壊される名シーンもしっかり再現。ギドラの半端ない強さと、宇宙怪獣であることも踏襲しているのは素晴らしい。再生能力が今後の再登場を予見させる。モスラゴジラを守る姿が実にいじらしい。期待したザ・ピーナッツは登場しなかった。残念・・

 本作で若干危惧されるのが、ゴジラを助けるため核爆弾をポパイのホウレン草のように扱っている点だ。本来、核への警告をした作品が平和の道具となってしまっている。ゴジラを味方にすることで、避けられないジレンマが浮き彫りになってしまった。被爆国の日本では、この問題をゴジラシリーズが子供向け映画にすり替わっていくことで避けてきたのだ。

 まあいい。放射能熱線を吐く怪物と、三つ首竜の化物の決戦なのだ。なんとかゴジラを応援しようとするモナーク達は、ウルトラマンを補助する科学特捜隊みたいなものか。

 吹き替え版で観たが、木村佳乃芦田愛菜ちゃんの吹き替えは実に巧い。違和感まったくなしだ。そして、本作で「よくぞ言った!」と褒めたいのが、チャン・ツィーのギドラの説明をするシーン。部下のチャチャ入れに怒って「キングギドラ!」と言い直すシーンは、オリジナル名への愛が感じられた。字幕版ではどうなっているのだろうか。観た人は教えてもらいたい。


映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』日本版予告編第2弾

エンディングロールで、最初流れる音楽がモスラのテーマと分かった人はどれ位いただろうか。