シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

タワーリングインフェルノ

 1974年の当時流行ったパニックムービーの一つ。BSで放映していたのを懐かしく再見した。
 超高層ビル火災を舞台とし、豪華な俳優陣をこれでもかと投入、まさにハリウッド映画の頂点と言っていい大作である。40年以上前の映像は大変美しくリマスタリングされ、その特撮技術は今どきのCGと比較してもまったく劣るところがない。むしろ、本物の迫力が迫ってくる。
 1991年に火災をモチーフとしたもう一つの名作として「バックドラフト」が有名だが、本物の火事を起こして撮影している迫力には及ばない。タワーリングインフェルノは、撮影のために本物のビルを建てて撮影しているのだ。
 スティーブ・マックィーンとポールニューマンの両主役が実に光っており、その周囲を名優で固めた本作は、贅沢の極みである。普通なら、火災のアクションを主にするので役者の知名度はさほど重要にしない。それを逆手にとって、むしろ閉鎖空間における人間関係に重きを置いている。
 映画というドラマを作る上で、リアルをどこまで追うのかは監督の匙加減になる。しかし、火災を舞台にすると、どうしてもリアルにするのは不可能だ。それは本当なら炎が間近に迫る室内では、濃煙が充満してほとんど視界がなくなってしまうからで、映像化に向かないことになる。よって、エンターティメントとして割り切った優しさが観客には求められる。そんな制約がありながらも、本作は結構上手にバランスをとっていると思う。ただ、今回初めて米国の消防士はプラスチック爆薬を使うことを知った。マジですか・・
 クライマックスはお決まりの大洪水。当時のハリウッド大作は、この締め方が多かったねえ。