シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

トランセンデンス

 2014年公開のSF作品として、結構CMにも力が入っていた。主演がジョニー・デップで夫婦愛のSFとなれば、女性客の集客が望めると思ったのだろう。
 本作はその妻を演じるレベッカ・ホールがむしろ主役といえる。脇にモーガン・フリーマンキリアン・マーフィーが、SF作品だといつもの役を裏切らずにこなしている。テーマは見なくても分かっているので、どんな展開かもおよそ読める。なにせ使い古した題材だから。AIに博士の頭脳をアップロードするというアイディアはTNGでも見かけたが、大昔のTOSでもあった話だ。
 しかし観始めていくと結構面白い。機械となった夫の希望をかなえていく内に、行き過ぎの展開にゾっとして破綻していく妻。いかにも予想通りの流れではあるが、ターミネーターの審判の日を別角度で魅せてくれているようでニヤついてしまう。そして、自己再生する人間までエスカレートした時点で気がついた。これはボーグ・ビギニングではないか!舞台をSWのように、遠い昔、遥か彼方の銀河系でとすれば、スタートレックの見事なスピンオフ作品になっただろうに。
 そんな風に感心しながら後半に入ると、なんとも酷いクライマックスに呆れてしまった。地球規模の未曾有の危機に立ち上がるのが、旧式大砲を持ったモーガン爺一行だけとは・・国は何をしているのか。そして、しょぼくれたラストで終えるのは女性好みにしたかったのか?実にもったいない。世界は機械と有機体のハイブリッドという新世紀を迎えたが、人間の良心がボーグ化に歯止めを効かして独自のユートピアに踏み出した・・とハッキリ世界を広げろっちゅうねん。トーシロ監督め!ヽ( `д´*)ノ