シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

デンジャラス・ラン

 2012年製作のスパイ活劇。というとOO7のようなものを想像するが、これは全く違う。ボーンシリーズの方がまだ近いが、遥かにハードボイルドで徹底したリアリティが印象的だ。
 主演はデンゼル・ワシントンライアン・レイノルズ。デンゼルが主演する映画にはハズレは無いと言われるけど、まさに納得できるカリスマと名演技である。共演のライアンはまだまだ新人で、ウルバリンやグリーン・ランタンあたりで売れ出した若手のくせに、ブラックウイドゥのオネエちゃんと付き合ったりとニクイやつだ。
 作品を観る前に、これはCIAのオールド工作員とルーキーの凸凹コンビの展開かと思った。ただ、デンゼルが悪役というのがミソなんだろうと。ところがそんな定石はコメディ路線の定番であって、本作はスリルとアクション、謎で観客を引っ張る。手持ちカメラが緊迫感を増大させていて、徹夜勤務明けのオイラには目が疲れてたまらない。それでも眠気が覚めるハードで痛々しいアクションはすごい。
 最後の落としどころは真新しいものではなく、クライム・アクション大作にはありがちなラストである。結局デンゼルは悪人ではなかった・・という後味の良い爽快感を締めとする。しかしデンゼルは最後まで渋くてカッコいい。
 これだけハードな展開でも、分かりやすい単純な追跡劇と大団円でまとめる作風というのは、今最も新しいアクション映画のあり方と言えるんじゃないだろうか。