2022年公開のモンスターパニック映画?でおそらくB級品。
本作はとてもジャンル分けがし難い作品だ。初めはアメリカの田舎で起きた不幸を引きずる牧場兄妹の話がズルズルと続く。まったくスピード感の無いテンポで、アメリカの弩庶民を味わえと我慢を強いられる。この時点で一旦視聴中止。映画館なら退席しているかもしれない。そしてやっとUFOのようなものが現れ、SFになっていくかと思いきや、それを撮影して金を稼ごうとする兄妹達をのんびりと追っていく。すると、あれはUFOではなく、雲に隠れた円盤みたいな怪物だと判明。なんじゃそりゃ?捕食される人間達、その描写はまったくリアリティが無く演劇のようだ。主人公達は、撮影する事に夢中で襲って来るモンスターと対決するわけでもない。クライマックスは、ぶち切れた妹がやっと戦う気になって巨大な空中クラゲと化したモンスターをやっつけてめでたし。妙に滑稽でならない。
このヘンテコな作品がヒットしたらしく、評判が良いというから訳が分からない。監督はホラー系の作品でヒットをだしているが、アクション映画を作ろうとは考えていないようだ。オイラにはまったく魅力を感じられない。そもそも130分を超える時間が必要とはとても思えない。あらゆるシーンが間延びしたカメラ割りで無駄に長い。話の主軸でもないチンパンジーが発狂する回顧シーンは必要か?
各所に大御所作品のリスペクトが伺えるが、独特な作風で括っているのであまり類似する作品が思い浮かばない。それは良い意味ではなく、混ぜるべきでないものを無駄に混ぜ込んだ異質な作品だ。SFなのか、ファンタジーなのか、ホラーなのか、コメディなのか、ミクロで牧歌的な田舎ドラマなのか・・まさにNOPEだ。