シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

スパイダーマン ジョン・ワッツ3作品

 近年のスパイダーマンの映画というと、2002年からのサム・ライミ3作品と2012年からのマーク・ウェブ2作品、そして2017年からの本3作品となる。

 ジョン・ワッツ監督の最新シリーズは、マーベル・シネマティック・ユニバースの時系列における一遍となり、アイアンマンやドクター・ストレンジも登場してくる。そういった意味では世界観が分かりやすくて他作との繋がりが興味深く、ユニークな展開を生むことが可能となった。そんな背景から、様々なスーパーヒーローとの住み分けが必要となり、本シリーズでは未熟な学生を主人公とすることで、アベンジャーズの面々からガキ扱いされるキャラを担っていると言えよう。

 スパイダーマンの立ち位置として違和感のないキャラであり、おのずと本シリーズは元気で色気づいたガキどものコメディタッチ学園ものとなる。3作品とも同じテイストで、次第に未熟な主人公が成長していく過程が描かれるわけだ。まとまりのある方針であるが、オイラはどうも気に入らない。

 まず、誰もが感じるだろう「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の主人公との近似性だ。それはこの作風ではしかたないのかもしれない。しかしコメディとして面白さが無く、生意気なガキ臭さが表に出て大人の鑑賞に堪えがたい。アメリカの高校生ぐらいまでをターゲットにしているのだろう。それでいてコメディとして一貫しておらず、「ノー・ウェイ・ホーム」の後半は叔母が殺されて突然シリアスムードに変更し、暗く終わる。せっかく3世代のスパイダーマンが顔合わせして共闘するアイディアが面白いのに、ハッピーエンドなラストに持っていかないシナリオは理解不能だ。あのラストは「バタフライ・エフェクト」のような作品でなければ味が出ない。


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俳優を変えた同じ作品の主人公同士が顔合わせする。こんな禁忌をパロディとして実現させたのはアッパレ。なのに、気分良く終われないシナリオがいただけない。