シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

タイムリーパー 未来の記憶

 2020年公開のカナダ製C級SFサスペンス作品。

 流行りのタイムリープものの一つで、多くのローカル映画賞を獲っている。ツッコミどころは多いが、まじめに挑戦したアイディアだと思う。今回のレビューは、本作を観たSF好きでなければ意味不明だろう。

 本作はどうやら同一時間軸にタイムリープする話のようで、平行世界へのジャンプではないと思われる。たしかに過去の自分と格闘までしているし、何本もの平行世界で解釈した方が納得しやすい。しかし、教授の説明するタイムマシンは当人が経験した過去にしか行けない設定でもあり、直列時間軸で判断した方がシックリくる。それは物語の初めからリープした後の痕跡を見せているからだ。結論として一番納得しやすいのは、主人公は薬を使って何度かリープを繰り返し、最後は事切れるのが運命だったという話だ。

 でも矛盾があって惜しい。ラストにヒロインも主人公も死なない未来に変えてしまっては辻褄が合わない。よくこれで多くの賞が獲得できたと思う。個人的には、同一時間軸の運命はタイムリープすらも決まっていた事で変わらないとし、主人公は肩を撃たれたヒロインが死んだと見間違えたとする救済処置がよかろう。その見間違えが結果としてヒロインを救う流れとなり、単一の時間軸で部分的ループが生じた話にまとまると思う。


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 主人公が幼少から予知ができるのは、決まった未来でタイムリープを繰り返した記憶のエコーが断片的ビジョンとして降りかかってくる・・といったところか。