シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

FAL特注品

 懇意のショップにFALの特注品が中古で出てきた。C60ユニットを2発、斜めバッフルの大きめの箱に入れたバスレフスピーカーだ。「Supreme Sダブル」とでも言おうか。
 大変綺麗で、傷もほとんどない。それにしても、C60を2発付けたとはいえデカイ箱だ。これじゃC90を2発付けたオイラのメインスピーカーと、容積はあまり変わらんじゃないか。
 店員は1発より高域が伸長して聴こえるという。そんなバカな・・低音なら分かるが、2発の同一ユニットを近接設置した場合、干渉を起こしてむしろ高域は不利になるんじゃないか?聴かせてもらおう。Supreme S C60の隣に置いて比較試聴だ。
 こりゃ唸るしかない。たしかにシンバルやリンの音がシャキっと伸びて聴こえるのだ。クッキリとしながらも強調感はない。C60ユニット1発だと若干高域がロールオフして聴こえ、後付けでハイルドライバーを加える人もいるのだが、この2発仕様はツィーターを加える必要をまったく感じない。いやはや不思議だ。(?_?) 
低音はさらに素晴らしい。1発仕様にあるバスレフらしい臭みは無く、スケールと締まりを両立した大型機らしい余裕の低音だ。実はチョイ聴きなので、移動用キャスターに乗せたままの試聴なのだが、それでこの質感は驚く他ない。
 1発仕様と比べて能率もアップし、全域でスカっと抜けてくる心地よさもたまらない。前オーナーは上級機に乗り換えられたようだが、この特注品は実にもったいない。中身はネットワークレスで、コンデンサーすら使っていない。完全な単純パラレルなので、3Ωということになる。昔の非力なアンプでは厳しいかも・・また、結線を変えればマトリックススピーカーにすることもできる。
 ぜひ、分かる趣味人に買ってもらいたい孤高の一品だ。同価格の大メーカー量産品とは、仕上がりと見た目ではまったく勝負にならないが、音を出せば逆に勝負にならんだろう。

FALの箱は、ダサいようでいて実は部屋に馴染む。大企業のオシャレなスピーカーに目移りすると後悔することもある。オナゴと同じだ。