社会人となって生活が落ち着き出した頃、CDプレーヤーというものに興味が出てきた。その頃はまだレコードが主流であったが、CDの販売スペースが目立ってきたのだ。そこで、信頼のあるSONYから安い単品コンポのCDP-227ESDという機器を買うことにした。
初めて聴くソフトは借りてきたものだ。たしか河合奈保子のCDだったと思う。まあ驚いたこと!ノイズがまったく無いじゃねえか Σ(~ロ~;) もちろん、当時はノイズといったらスクラッチノイズやサーフェイスノイズのことである。この技術革新にオイラは飛びついた。高価だったCDを買い、レコードには急速に手が伸びなくなった。ちなみにCDの普及期は、不要になったCDをショップが一律1000円で買い取ってくれたものである。
この頃からオーディオ雑誌というものを読み始め、こんな趣味があるんだと知った。音楽再生をより良くする方法、やってはダメな行為などが分かり、実に新鮮な世界に感じたものである。また当時はバブル絶頂期で、物量を投じたオーディオ機器が開発され、家電量販店でも沢山売られていたのも幸いだった。
オーディオに目覚めたオイラはその後、懇意となる専門店でアドバイスを受け、アンプをサンスイに変えて良質な音に貧欲になっていった。この初めて買ったCDプレーヤーは、まさにオイラがオーディオを趣味とする転機となった。
レコード再生は止めたわけではなく、その後パイオニアのPL-5Lという重量級プレーヤーの中古品を買った。どぶ板ブチル巻きベースに置いてしばらく使っていたのだが、さして広くも無いリビングには邪魔なため、結局納戸で埃を被っている。