10年ほど前、「懐かしの愛機」として、過去に愛用していた機器を紹介した。もちろん、そこでピックアップしたもの以外にも思い出深いものがある。今回、オーディオ趣味人になっていく転機となった機器をいくつか紹介していきたい。
昔、実家の大工は繁盛していて家具調ステレオがあった。東芝のボストンステレオSP-840Mというやつで、中学生までこれでクラシックやイージーリスニングを聴いていた。高校生になって、買ってもらったのがれっきとしたSONYのコンポで、プレーヤーがPS-11、アンプがTA-F40、スピーカーがSS-V2Mというものだった。オイラはこれを宝物のように扱っていた。特に、後になって購入したLO-DのD-90Sというカセットデッキは高価な単品コンポで、3ヘッドの高級品だった。
当時はレコードを買って即、このカセットデッキでテープにコピーしてテープで常に聴くのが当然だったのだ。そうすればレコードも痛まないし、初出しはスクラッチノイズも無いからである。そのため、カセットデッキは良いものが欲しかった。常に使っていたので、よくヘッド掃除をしたのを思い出す。それでもメタルテープは高価で買えなかったなあ・・
まだこの頃は好きな音楽を良く聴きたいだけで、オーディオの使いこなしで音が変わる事なぞ知らなかったのだが、オーディオ機器に触れて楽しむ発端だったとも言えようか。
LO-D D-90S 今見てもメカメカしさが美しい。