シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

カムカムエブリバディ 終了

 朝ドラ「カムカムエブリバディ」が終了した。本作は、3人のヒロインを配して3世代に渡る100年ドラマを描いた類例のないチャレンジ作品だった。

 本来なら、一人の歴史だけで十分な話を3倍のスピードで展開するため、様々な疑問を残しながら先に進んでいく。したがって、ちょっと見落とした回があると時代が進んでしまって付いていけなくなる。とりわけ戦争を背景とした「安子編」のラストは衝撃度MAXで、何の説明も無く「るい編」が始まる展開は頭がパニくる人もいただろう。

 伏線の張り方も凄い。あからさまな疑問はもとより、本筋と関連が無いエピソードがことごとく後から伏線として気づかされる。これは朝ドラを楽しみにしている年寄りには酷だ。録画をじっくり見るのではなく、朝や昼の食後にぼ~っと観るスタイルでは気がつかない。それどころか覚えていられない。よって、本作は朝ドラという枠を超えた優れた話を目指した稀有な作品だと思う。そしてそれは見事に成功したと感じる。

 朝ドラを本格的に見始めてまだ10数年であるが、歴史に残る名作ではないだろうか。すべてが緻密に計算され尽くしたと思える演出、そこから得られる感動と笑いは他では観たことが無い。観終わって、なぜヒロインが老けメイクをして老齢後を演じないのか、なぜ3人のうち年齢の離れた深津絵里が2番手なのか、なぜ「ひなた編」が明るいのか、なぜラジオなのか・・すべてがそうでなくてはならなかった。

 今後の朝ドラがこのような作品の傾向を追うとは思えない。ただ、アメリカのTVドラマは本作を見習ってもらいたい。

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