KEFのリファレンスシリーズは以前試聴させてもらい、その端正な音質にいたく感激した。〈2019-6-19 KEFの魅力 参照)今回、そのリファレンス1がMetaに進化したものを試聴させてもらった。
知らない曲を一聴しただけで只者ではない音に引き込まれた。やはりリファレンスシリーズは抜けが良く、すばらしい密度だ。そそくさと知っているディスクを探し、マヤのジャズボーカルとムターによるコンチェルトを聴いてみる。これはお見事!とりわけ音場が広大でありながら音像はピンポイントなのに感心する。なぜなら専用スタンドではなく、ハミレックスあたりの普及品にポンと置いただけだからだ。そして、この品のあるスッキリ伸びた低音がいい。SP端子はウーハー側に接続されていたので、試しにプラス端子を高域にして襷掛け接続にしてみると、愕然とするほど低音がしょぼくれてしまった。
比較対象として、近い価格帯のB&W805 D4にしてみると、一気に音圧が上昇する。かなり能率差があるようだ。ボリュームを揃えて聴けば両者の質的違いは明白。B&Wは派手で、よりオーディオっぽい風情であり、KEFは聴き疲れのない地味な音色である。共に高度な基本レベルの先にある個性ゆえ、これは好みの世界になろう。ちなみにオイラはKEFの音にただならぬ魅力を感じる。しかし、このリファレンス1の中途半端に大きいサイズは、惚れた人にはネックとなろう。
リファレンスシリーズは、中央の切り替えスイッチでシングルかバイワイヤかを切り替える。したがってジャンパー線は存在しない。