シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ザ・アウトロー

 2018年公開のB級アクション作品。

 綿密に練った銀行強盗と重犯罪特捜班の戦いを描いたもので、主演はジェラルド・バトラー、他は大した役者はいない。本作は2時間20分を使った大作風でありながらB級予算で仕上げている。この新人監督はおそらく経済的な手腕があるのだろう。また、何を魅せようとしているのかも理解できる。銃撃戦のリアリティやその前からの緊張感を大事にしているのは実にいい。ジェラルドのヤサグレ感も嵌っており、往年のブルース・ウィリス路線で敵と対峙する。でもこの監督は背伸びをし過ぎたようだ。

 この作品は、前述のようにいいものがありながら無駄が多い。そして、必要なものが無い。何が不要かといえば、主人公の家庭崩壊や離婚にまつわる描写や、敵の一人の娘が男を連れて来て仲間と脅しに掛けるシーン等。さらにストリッパーから偽の情報を掴ませるシーンで敵と鉢合わせるのは不自然である。そして、とどめのラストのどんでん返しである。若気の至りでやりたい展開だろうが、そのためには観客に悟られない伏線を張るべきで、このままでは裏で画を描いていた首謀者の説得力が無く、作品の焦点がブレてしまっている。

 リアリティを徹底したB級アクションとして100分以下にまとめ、オーソドックスに締めくくればいいのに・・大作を手掛けてきたベテラン監督なら小粋なB級アクションに出来たであろう。

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