シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

シタデル 第1シーズン (ネタばれ)

 本年度アマプラ配信のA級スパイアクション作品。

 第1シーズンの配信が終了したが6話しかない。なのに3億ドルもの予算を投資した超A級TVシリーズだ。

 そのアクション映像はもう、映画でも中々観られない見事なもので、素晴らしいリアリティがある。また、音響効果も凄い。とてもTVシリーズとは思えないものだ。出だしは実にカッコイイ。主役のリチャード・マッデンは次の007候補と言われるが、まさに予行練習のようなスタートに期待大であった。2話から記憶を失ってどうなっていくかと思いきや、妙にドロドロとした人間関係のドラマが始まって、過去が暴かれていく。この思いもよらない展開は、疑問だけが増大してストーリーにリアリティが無くなっていく。

 誰もが感じると思う素朴な疑問が、6話観終わって第1話を観直すと辻褄が合わないことだ。まず、第1話冒頭での2人のスパイの出会いはどのタイミングなのか。女スパイは1年ぶりの復帰という会話から、おそらく妊娠出産後ということかと思うが、それまで血眼になって主人公は女スパイを探していたはずなのに、あのオシャレな会話から始まる様相は変ではないか。また、列車内の敵スパイはシタデルを罠に掛けるが、主人公はその敵ボスの息子であってシタデルの裏切り者になった後なのに、互いに必死で戦うことに矛盾がある。初回の撮影時にはまだ先の話ができていなかったのだろうか?こんな金を掛けた作品でそれはあるまい。そもそも、シタデルはどこの国にも属さないスパイ組織という設定がマンガチックなので、最後まで昔の007みたいに弩派手でオシャレなエンタメにすれば、ストーリーの粗なんか突っ込まないのに。シリアスな作品のどんでん返しは、気付かない伏線を仕込んでリピートを誘うべきであって、観る者に疑問や矛盾が湧くようでは失敗作だ。

 シーズン2は純粋な続きでは無いようである。同じ時系列で別の戦いを描くのかもしれない。そんな風にシーズンを平行展開させて、最後にバッティングさせるつもりだろうか。それまで続くのか怪しい気がしてきた。


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