新品同様の小型バックロードホーンを見つけた。中古品としても実に安い。
これはフォステクスのP1000-BHという定番キットにFE103NVを組み合わせたもので、このユニットに注目した。FE103シリーズの最新型現行品で、オイラはこのオリジナルを使ってバスレフスピーカーを作ったこともある。最新ユニットの実力を知りたくて、ベストポジションに設置して聴かせてもらった。
一音が出た瞬間に興味を引いた。大変質のいい音で、紙臭さが微塵も感じられない。数曲流してみると安定したまとまりを魅せ、その広がりや音像感は見事な様相を展開してきた。明るく伸びがいいのは昔からの個性だが、ハイエンドへの伸長が見事だ。フルレンジとは思えない。全体的に軽やかでヌケがよく、能率が高めなのはバックロードホーンゆえであろう。低音の量感は出にくく、トーンコンでブーストしても大きな変化は期待できない。しかしフワっと吹き抜けるような感触はバスレフや密閉では得難い開放感である。
実は以前、このP1000-BHに高価なFE108EΣを組み合わせた中古品を聴いたことがある。あのときはあまりにもハイ上がりで聴けたものではなかった。FE103NVはバスレフ向きかと思うが、小型のバックロードとはマッチングがいいと感じた。新たなホビーとして遊んでみたい気もする。しかし、質の合った低音の補強は難しそうだ。
