シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

PMC DB1 Gold その2

 PMCのモニタースピーカー、DB1の最終形態であり限定品のDB1ゴールドについては、以前も試聴感を書き込んでいる。(2018-12-12  PMC DB1 Gold 参照)それが新品同様で中古の出物が隣町のショップにあった。

 前回は小型スピーカー山積み状態の切り替え試聴なので、その実力は片鱗から想像するしかなかった。今回、まともなセッティングで聴くチャンスであり、切り替え機を介さず、重量級TAOCに置いて試聴させてもらった。ソフトは耳タコディスクを2枚持参した。

 やはりまず感心するのは低音である。独自のATL構造からの低音は、小型でも量感志向に逃げず、実にパワフルで分解能も良い。密閉型のような抑制感は皆無。吸音材が詰まった共鳴管のような構造を、よくこんな小さな箱に収めたものである。それがしっかり機能して、バスレフと密閉のイイトコ取りをしたような低音が実現している。高域はソフトドームなのでとても素直で、音圧が上がってもシャリ付くことがない。そして圧巻だったのが中域で、ボーカルがグイグイ前進してくる。近年、奥行重視の小型スピーカーが多い中で珍しい。だから標準的な能率なのに高い音圧を感じさせてくる。この帯域バランスは、お気に入りのフルレンジ「カンスピ」を上下伸長したような印象。小音量でバランスが崩れないのも凄い。絞ってもベースが痩ないのはATLの特性だろうか。

 ネガティブな側面も無い訳ではない。ベストに近い空間セッティングでも、このスピーカーは左右奥行方向への音場感は薄い。スタジオモニターの特性としてそれは割り切った個性なのだろう。一般的な小型スピーカーのパフォーマンスを期待してはいけないようだ。また、その外観仕上げはペア20万円超えとは思えず、実に安っぽい。

 オイラはこの個性をますます気に入った。すでに問い合わせが来ているらしく、あっという間に売れてしまうだろう。実にお買い得でもあり、足踏みする理由はその実力上にはない。問題はスタンドである。

 このスピーカーの実力を出すには重量級の金属スタンドが好ましいと感じる。しかし、TAOCを代表に昨今の跳ね上がった価格には閉口するばかりだ。多少錆びていようがサイズの合った中古品が出てくればいいのだが・・巡り合わせは難しい。