シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

エンド・オブ・ステイツ

 ジェラルド・バトラー主演のエンドオブ~シリーズ最新作。
 このシリーズは大統領のシークレット・サービスを主人公にした荒唐無稽な話で、特に前作はほとんどゾンビゲームの世界であった。こんな作風は「ジョン・ウィック」のせいで今でこそ違和感が無く受け入れられるが、当時は半分笑ってしまったものである。
 そんなシリーズの中で、本作は脚本にリアリティがあって、ある意味普通のA級アクション映画に仕上がっている。銃撃戦が主体のクライマックスは、敵に対し籠城戦で対抗する展開で地味な印象だ。それが返ってスリリングで、嵌められた主人公が信頼を回復するまでの王道パターンなれど、ジェラルド・バトラーにとって最高にヒットした作品となった。
 ただ若干詰めが甘い。事件が勃発する前の紹介エピソードで展開が読めてしまい、本題に入る前に観る気が失せてしまう。唯一の意外性は、主人公を嵌めた敵が正々堂々と正面から攻めてくるストレートさだ。敵ながらアッパレと思ってしまった。そこで気が付いたのは、作品の根底に戦争に慣れすぎた人間の末路があり、それは主人公とその父親、敵の親玉それぞれが抱えていている事。そのアメリカらしいテーマを、悩む姿ではなく戦いの中で表現しているところがいい。
 


11/15(金)公開『エンド・オブ・ステイツ』予告編