隣町のショップにYAMAHAのNS-3000が置かれていた。NS-3000は、2016年に登場したNS-5000のブックシェルフ版で、ユニット素材や仕上げなど共通している。触れるのも気が引ける豪華なピアノフィニッシュで、ユニットのフランジからターミナルの仕上げに至るまで高級感抜群である。それもそのはず、2台で100万円弱と海外ハイエンドに真っ向勝負、スタンドだけでも片チャンネル10万円を超えている。エソとアキュの弩級システムに繋がれ、この上ない好条件下での試聴をしてみた。
さすがに良い音がしている。店員が流した中島みゆきを聴いてみると、実に滑らかで品の良い音が耳に心地よい。しかし知ったソフトでないとよく分からないので、耳タコのハンターを聴いてみる。なるほど、小型の枠を超えた低音と抜けの良い中高域が確かに感じられる。以前、似たシステムでNS-5000を聴いた印象はさほど感心するものではなかった。(2016-9-12 YAMAHA NS-5000 参照)NS-3000は清楚な貴婦人のような品位があって感心した。
しかしよく聴くと、「ん」の音が若干籠っているのが気になる。もしやと思い、スピーカーに張り付いて聴くと、まったく籠りが感じられない。どうやら部屋の癖が乗っているようだ。
海外製品が主流のハイエンドスピーカー市場に打って出るYAMAHAは勇気がある。日本ではスタンド込みでエレクタアマトールⅢと競合しているのだ。NS-3000は海外だと関税含めていくらなのか・・実に興味深い。