シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

コンテイジョン

 2011年公開のパニックデザスター作品。

 本作をレンタルしたのは、感染症パニックを真摯にとらえた作品ということで、新型コロナが蔓延する今がタイムリーと思ったから。感染症を扱った作品は結構多く、リアルに扱った作品としては「アウトブレイク」が思い出されるが、本作は映画的な演出を考慮しない驚きのリアリティでウィルス感染の恐怖を描いている。

 演者は著名な俳優が名を連ねているが、各々の絡みは少ない。世界規模の感染が蔓延していく中で、人間の欺瞞やエゴ、恐怖に駆られる末路をジワジワと魅せていく。10年前に作られた作品なれど、そのリアルな展開は今だからこそ圧倒される。当時からサーズや豚、鳥インフルエンザが社会問題であったことが、この淡々と展開する恐怖を想像できたのだろう。10年後に本当に起こると予言したかのようだ。

 映画として感動を呼ぶ物語もなければ、完全無欠のヒーローもいない。ましてや主人公という概念もないので、盛り上がるクライマックスも無い。ソダーバーグ監督は集客よりも自己ポリシーを徹底した姿勢を見せた。翌年、さらにオールキャスト著名人を侍らせ、「エージェント・マロリー」という駄作を作ったりするのだから面白い。


映画『コンテイジョン』予告編