2018年公開のB級近未来SF作品。
多くの映画祭で絶賛され、「ソー」のリー・ワネルが脚本を書いてメガホンを取ったとなれば期待値も高まる。実際、想像以上の秀作だった。
俳優に 著名なスターはいない。予算云々ではなく、リー・ワネルの作品なら間違いなく過激な描写があるので、ここは地味な演技派が相応しいのだ。それでも近未来のSFギミックは大変リアルでセンスがいい。オープニングですでに期待できると踏んだ。
この作品の予告、そして展開を観てハハ~ンと全貌が読めた気がした。それは、ロボコップやナイトライダーのような味わいを魅せるパターンであって、TVシリーズ化を視野に入れた話だろうという読みだ。ところが、クライマックスでそれは大きな間違いだと衝撃を受けた。
なるほど、このダークなラストは70年代SFを想起させるものがあり、結果を知ればまったく斬新なわけでもない。しかし、そう読ませない監督の心理操作に嵌まったことで、「そうか!」という清々しい敗北感を味わえたわけだ。
これがB級SFを楽しむ醍醐味だ、そう紹介したい。
この予告に騙されてみよう。