シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

NCFクリアライン その2

 NCFクリアラインはACフィルターではない。つまり電気そのものからノイズを取るわけではなく、その構造と素材によってノイズを発生させないようにするのが目的だ。

 電源タップなりを、そんな仕組みで作ったのなら分かる。小さな制震物体を差し込んだだけで、聴感に差がでるほどの違いがあるのだろうか。こんな疑問を持ちながらも、すでに買ってしまった後の試聴というのは一番マズイ。良くなってくれ・・という希望が聴感をネジ曲げてしまうからだ。音は頭で聴いているのである。まともなリポートはできないかもしれないが、有意差が無ければ正直に書こう。

 まずは上流機器に使ってみる。CDP、DAC、外付けクロックに電源供給しているオヤイデのタップに挿してみた。耳タコのオールウェイズ5曲目冒頭で瞬時に違いが分かった。ベースの余計な膨らみが無くなって解像度が高い。しかしパワフルになったので量感が減った印象は無い。クラシックの低弦も広がりを抑制した感じは無く、力感アップしながらも品がいい。圧巻なのはボーカルだ。まとわり付いていた滲みや髭が消えて実にクリアなのだ。曲によっては、あれは付帯音だったんだ・・と具体的に比較して指摘できるほどハッキリ違う。

 録音段階で演出した造りもよく分かるようになった。たとえば山口百恵の「花ざかり」に、アマリリスという曲がある。大変お気に入りであるが、曇った録音だと感じていた。それがクリアになると、声に霞を掛けた見事な演出だと分かるのだ。総じて、SNとコントラストの改善が著しいためか、音の鮮度まで高くなったように感じてくる。

 今度はプリ、パワーアンプ系のタップに使ってみる。が、こりゃダメだ。効果無いというより、先ほどまでの上流機器の改善から落胆が大きすぎる。アンプ系の先入観では音の瞬発力や立下りが良くなりそうだが、低重心で根暗になったような印象が強い。試聴する順番が悪かったのかもしれない。一つしかないので元に戻そう。すると、一気にクリアな解放感が戻ってきた。こりゃ二度と外せないわ。

 結果、CPを考えれば安すぎるほどの改善が我が家では感じられた。誌上評価に先入観を持たぬよう気を集中したが、無用な心配だった。

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