シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

月に囚われた男

 デビッドボーイの息子は、監督としてまれな才能を持っていると前回痛感した。彼のデビュー作を観たくなり、ツタヤに行くとあるじゃないか。それも人気ランキングに入っているぞ。こりゃSFファンとして不明を恥じるしかない。

 さっそくレンタル、な~るほどぉ・・こりゃ大したものだ!まず、製作費500万ドルのC級映画とは思えないクオリティの映像に感心する。そのため金の掛かるCGを極力無くし、ミニチュアで月面セットを組んでいる。まるで「スペース1999」を見ているような郷愁が心地よい。俳優はほぼ主役の一人芸で人件費を抑え、一ケ月強で作り上げた。それでもサム・ロックウェルケビン・スペイシーを呼べたのは親父の力もあったのかもしれない。

 さて、C級SFはアイディアが命だ。そこが本作は実にいい。展開も静かではあるが引き込まれる流れがある。このクローンの悲哀を描いた話は、まるで星野之宣の小品を映画化したかのようだ。ただ、最後の最後で興ざめなエンディングが残念。あれは、B級以上のSFアクション作品によくある締め方であり、本作のような静かな余韻に浸る作品にはそぐわない。むしろ、品が落ちてしまう。それだけの良品だと思う。

 ダンカン・ジョーンスは第2のクリストファー・ノーランになれる監督だ。


映画『月に囚われた男』予告編