2013年公開のポール・ウォーカー主演B級アクション作品。
深夜ロードショーで放映していたので初めて観た。2013年というと、他界する2年前だ。ワイルド・スピードで人気急上昇し、乗りに乗って製作にも手を出したらしい。彼はやはり車とは縁続きの様で、撮影のほとんどは車の中である。それも固定カメラで撮っているらしく、まるで自主製作映画のノリだ。で、その出来はというと、結構いいじゃないか。
ごく普通の男が、国家レベルの犯罪に否応なく巻き込まれる不幸な話。さほど珍しくもないけど、ポールの切羽詰まった男の演技が実にいい。始めは「そんなの関係ねえ」だったのが、ブチ切れて特攻かます流れが実に自然だ。これ、どんな結末にするんだろうと思ったら、そのクライマックスも良かった。地味ながらもスピード感と緊迫感があって、金を掛けられないB級品のアクション映画としてまとまっている。
本作はワイルドスピードのときよりも、彼の持ち味がよく出ている。今後が楽しみな俳優だったのに、実に悔やまれる。アメリカと南アフリカの共同製作のようだが、これを観た後は、だれもヨハネスブルグに行きたいとは思わないだろう。
90分ほどのB級品は、ノーカット放送されることが多い。本作も、クレジットまで放映してくれた。