ジャン・クロード・バンダム主演のヨーロピアンB級ノアール・アクション作品。
バンダムはどん底から這い上がって実に渋いオーラを持つようになった。本作は、晩年のそんな彼にピッタリなハードボイルドだ。派手なアクションが売りだったバンダムから、それを取ったら何が残る・・と、昔なら思われたところだが、今では見事な存在感のある演技派だ。
他作でも、たまに魅せるアクションはリアリティの高い瞬殺技が素晴らしい。大げさに言えば、セガール親父とブルース・ウィリスを併せ持ったような魅力を感じる。還暦まじかであるが、作品に恵まれれば大輪の花が咲くのではないかと思う。
さて、この地味な子連れ用心棒の一抹は中々クールで、北野作品を思わせる。この監督は北野たけしが好きなんだろう。娘の元に帰れたか否かを見せずしてクレジットされるラストは、絶妙に良いセンスだ。B級の苦みのある味わいが楽しめた。